脚のラインがまっすぐじゃなかったり、膝の間が開いてしまっているのがO脚だと言われていますが、その原因について勘違いされている方が驚くほど多くいらっしゃいます。「がに股」だから脚が開いてしまってO脚に、というのは間違いです。実はその反対で、内股だからO脚になってしまうのです。

O脚についての勘違いのために、O脚の治療やセルフケアを間違ったやり方で続けてしまい、いつまでも改善しなかったり、悪化させてしまうこともあります。今回は、O脚の本当の原因と正しい治療方法をご紹介しながら、やってはいけないO脚のセルフケアについて書いていきたいと思います。

 

 

「見た目が勘違いさせる?」

 

O脚は脚の間が広がってしまっているため、よく「がに股」と同じようなものだと思われがちです。実際に鏡などで見てみると、膝が外向きになっているように見えますよね。しかし、実際に身体で起こっている構造的な問題はその逆で、脚が内側に捻じれていることでO脚になってしまっているのです。つまり「内股」だからO脚だと言えるのです。

では、内股なのにどうして外に開いてしまうのか、そのメカニズムを簡単に説明いたします。

 

人は二本足で直立歩行するために、足の指から頭までがすべて連動してバランスをとるように作られています。その中でも、足首、膝、股関節、骨盤の連動が肝になってくるのですが、O脚の人はこの連動のために関節に捻じれを作っていることがほとんどです。

まず、O脚の特徴として、本来外側を向いている足の親指が正面、または内側を向く癖があります。すると、足(足首より先)が内側を向いた分、足首から膝までの脛骨という骨が外側を向くように動きます。バランスを取るための連動ですね。そして、膝から股関節までの大腿骨が内側に捻じれ、骨盤がそれに引っ張られるように前傾します。

そのようにして、足首から骨盤までの関節でバランスを調節するための捻じれが生じるのですが、それぞれの骨があっちこっちに向きを変えているので、ラインが綺麗でなくなるのはイメージが出来ますよね。特に、脛骨が外を向いていることが、膝が外に開いているように見える原因です。けれど、その上の大腿骨は内向き、つまり内股の状態になっているのです。

これが、内股なのにがに股のように開いてしまう理由です。

 

 

「O脚は日々の積み重ね」

 

O脚というのは、一言で言ってしまうと脚の捻じれです。足首から骨盤までの捻じれの連鎖により、内股なのに外に開くようなラインになってしまいます。

では、何が脚の捻じれを作っているのかと言うと、ほとんどの場合、日々の生活での癖に起因しています。座り方や立ち方、歩き方などの、日々のなんでもない動作の中に隠れた無意識の癖が積み重なり、O脚になるほどの捻じれを作ってしまいます。

例えば、座っている時に脚を組んだり、片膝を立てる、女性に多いのが脚を横に倒す横座り。つま先に体重が乗る前傾姿勢や、靴底の横だけ擦り減る歩き方、寝ている時に足首を重ねてしまうのも、脚が捻じれる原因になります。

こういった生活の中での癖の積み重ねが、気付かないうちにO脚をつくり、更に進行させてしまうのです。

 

 

「やってはいけないセルフケア」

 

さて、O脚のメカニズムや原因について簡単に説明させて頂きました。O脚はがに股だから脚が開いてしまう、という勘違いは見た目だけのもので、実際には内股であるという事でしたね。ここからは、O脚の改善のためのセルフケアが沢山ありますが、その中でも勘違いによって考えられた「やってはいけないセルフケア」と、本当に効果のある「正しいセルフケア」について書いていきます。

 

まずは「やってはいけないセルフケア」です。簡単に言えば、がに股を矯正しようとするやり方はダメ、ということです。内股になっていることがO脚の原因なので、それを更に内股にしようとすれば悪化しかねないのは当然ですよね。

例えば、よくあるのが、脚の内側の筋肉を鍛えたり、足の内側を揃えるような立ち方をしたりといった方法です。これは、先ほど書いた脚の捻じれのメカニズムから言えば、捻じれを強くするだけです。また、O脚に効くストレッチとして、膝を内側に畳んだ状態で座るやり方(あひる座り)がありますが、これは絶対にやってはいけません。内股を悪化させる典型例です。

他にも、様々なサイトや治療院などでセルフケアの方法を教えていますが、O脚にとって禁忌とも言える方法であったり、大腿骨が内に捻じれていることは分かっていても膝下や骨盤の連動まではフォロー出来ていないところが意外に多くあります。

 

では、正しいセルフケア方法はどういったものがあるのかと言うと、太ももの内側を伸ばすストレッチや、足の親指が外を向くような立ち方、歩き方がおススメです。座り方で言うと、あぐらが効果的です。女性であぐら座りに抵抗がある場合は正座でもいいでしょう。

 

 

「治療は早ければ早いほど」

 

O脚は日々の生活の癖によって進行していきますので、処置は早ければ早いほど、改善もしやすくなります。悪い癖が続くほど、状態も悪くなり、癖を直すにも時間が掛かります。自分でセルフケアを頑張るのも良いですし、整体などで矯正を受けるのもきちんとしたところなら効果がありますので、O脚改善を考えられている方は今すぐにでも初めてみてください。

ただし、上に書いたやってはいけないセルフケアに注意して、そのようなことを治療院などで指導された場合は、他のところでも診てもらうことを考えてみてください。

 

脚の捻じれを正常に戻し、生活の中の癖を直す指導を受けることが、O脚改善の最短の道です。

 

 

「まとめ」

 

O脚について、構造的なメカニズムを勘違いしている人が多くいらっしゃいます。それは、整体師などの専門家にも意外に多いのです。そういったところから、間違った情報を得て、間違った方法でセルフケアをすることは、O脚改善に繋がらないばかりか、悪化させることもあります。

内側の筋肉を鍛える、足を内股にする、あひる座り。この3つはO脚を悪化させるので、特に注意しておいてください。

「内股」だからO脚になるということ、脚の捻じれが生活の中で作られていることを知って頂き、正しいセルフケアと治療を選んで頂ければ何よりです。

 

 

 

また、もし身の回りにO脚で悩んでいる方がいらっしゃれば、癖を放っておくだけでも進行しますので、是非この記事で知ったことを教えてあげてください。

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