坐骨神経痛


こちらのページを読んでくださっているあなたは

☑お尻から足にかけて痛みがある
☑長時間立ったり座ったりしていると腰やお尻に痛みを感じる
☑歩くと腰に痛みが出る
☑寝ていると腰やお尻が痛み、目が覚める
☑長時間歩くと足に痛みがあったり、足先がピリピリとしびれたりする
☑妊娠中でお尻付近に痛みがあり不安だ

という症状でお悩みなのではないかと思います。

その症状の名前は「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)

今回は坐骨神経痛についてのお話です。

 


坐骨神経痛を知ろう

「坐骨」とは骨盤の下の方の骨なのですが、痛みやしびれが坐骨周辺のお尻や腰だけでは治まらず、足にも症状を訴える人が多いのは、神経の長さが関係しているのですね。坐骨神経は人間の身体の中で最も太くて長い神経で、その太さは大人の小指ほど、長さの平均は1mくらいです。骨盤のあたりから、足の付け根、膝の裏まで長く伸びています。

坐骨神経痛は、実は「症状の総称」であって、病名ではありません。
基本的には坐骨神経痛を起こす原因の疾患や理由があり、その結果として痛みが出ています。

つまり、坐骨神経痛と名はついていても坐骨神経そのものが悪いわけではなく、坐骨神経が周りの組織の発する痛み物質を感知する、あるいは圧迫を受けてしびれを出すのです。では坐骨神経痛を起こしてしまう疾患は何でしょうか。

 


坐骨神経痛の種類

原因は多岐にわたり、多いものは

腰椎椎間板ヘルニア
脊柱管狭窄症
梨状筋(りじょうきん)症候群

などです。

しかし、原因特定できない坐骨神経痛あり、
それらはまとめて
症候性坐骨神経痛(しょうこうせいざこつしんけいつう)
と呼ばれています。

 

腰椎椎間板ヘルニア

ヘルニアとは身体の臓器が飛び出すことを言います。

おへそが飛び出せば「臍(さい)ヘルニア」、腸が飛び出せば「鼠経(そけい)ヘルニア」という具合です。腰椎の骨と骨の間にはクッション状の椎間板がありますが、それが飛び出したことで神経を圧迫し、痛みを引き起こすのが腰椎椎間板ヘルニアです。

腰椎椎間板ヘルニアは、比較的若い世代の男性に起こりやすく、長時間の運転、中腰の姿勢、重い物を頻繁に運ぶなどの腰への負担の多い仕事をしている場合は、そうでない仕事の人と比べ、約3倍発症率が高いことがわかっています。脊柱管狭窄症とは反対に、腰を前に曲げると痛みの出る特徴があります。

 

脊柱管狭窄症(腰部脊柱管狭窄症)

神経の通り道は、トンネルのようになっており脳からずっと続いています。
そのトンネルを脊柱管と呼び、文字通り狭窄、すなわち狭くなっているのが脊柱管狭窄症です。

腰椎椎間板ヘルニアに比べ50代以降での発症が多く、加齢により脊柱管が狭くなったため神経が圧迫され、痛みやしびれが起こります。

主な症状は脚のしびれ、痛み、腰が反らせないなどに加え、長時間歩くとしびれがひどくなり、休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が代表的です。

それ以外にも、腰を丸めると脊柱管の中を通る神経の束が伸ばされ、狭くなった脊柱管の圧迫から解放されるため楽になり、逆に背筋を伸ばしたり、腰を反らしたりすると狭くなった脊柱管の中に神経が押し込まれてしまい、圧迫がきつくなるのも特徴的です。

 

梨状筋症候群

「りじょうきんしょうこうぐん」と読み、腰痛や坐骨神経痛を起こす原因のひとつとして知られています。梨状筋とは骨盤から伸びて股関節を支える筋肉です。坐骨神経が骨盤から出て足へ向かうとき、この梨状筋を通ります。

梨状筋は基本的に柔らかい筋肉ですが、中高年から急に運動を始めた場合や、長時間のデスクワークなどで負担がかかって硬くなってしまうと坐骨神経をつぶしてしまい、痛みが出るのです。座っていると痛みがひどくなり、歩くと楽になる特徴があります。

腰椎椎間板ヘルニアと同じく腰に負担のかかる仕事や動作をしていると起こりやすくなり、症状も似ているのですが、MRIやレントゲン撮影で異常は認められません。

 


妊娠と坐骨神経痛

妊娠・出産をご経験された女性は、腰痛や坐骨神経痛になった覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?実は妊娠中は、妊娠していないときに比べて坐骨神経痛を起こしやすくなっています。

要因1 お腹が大きくなるため

妊娠中は、赤ちゃんが大きくなるにつれお腹もどんどんと大きくなりますね。
その大きなお腹に胃が圧迫されて胸焼けを起こしたり、膀胱が圧迫されて頻尿になったりと、色々なことが身体で起こります。坐骨神経痛もそのひとつで、大きくなったお腹が骨盤を圧迫して、坐骨神経にも影響しお尻周囲が痛みます。

急激に赤ちゃんが成長する妊娠後期~臨月の妊婦さんからの訴えが多くなりますが、膨らみはじめの妊娠中期から悩まされる人もいます。

 

要因2 ホルモンのため

さらに、妊娠中の特に出産間近になると、「リラキシン」というホルモンが分泌されるようになります。リラキシンは出産のときに赤ちゃんが通りやすいよう、靭帯を緩めて骨盤を開きやすくする作用があります。

赤ちゃんは通りやすくなって良いのですが、妊婦さんは身体の土台である骨盤が開いて不安定な上に大きなお腹で、動くのも大変。開いた骨盤により坐骨神経にも影響が及んで、坐骨神経痛が起こりやすくなるのです。

 


病院での坐骨神経痛に対しての治療

坐骨神経痛を起こす原因が分かっている疾患がある場合は、基本的にはその疾患の治療を行ないます。脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアであれば、症状が重くなると感覚が鈍って排泄への障害が起こることもあり、手術も選択肢に入ります。

しかし、脚のしびれやお尻の痛みという程度だと、症状を和らげるための治療や対処になります。これは対症療法と言って、根本的な改善をするアプローチではありません。

具体的には

・薬物療法(痛み止めや筋肉を柔らかくする内服薬、湿布薬)
・神経ブロック注射
・物理療法(電気治療、マッサージ)

などが行われます。

妊婦さんであれば、赤ちゃんへの影響が心配されますので、あまり強い痛み止めの内服薬は処方されません。湿布や骨盤ベルトなどが主流です。後は出産後まで様子見ましょうと言われたりします。これらの療法は、痛みは一旦抑えられるかも知れません。ならそれで良い、痛みなどの症状が抑えられたら十分、という考えもあるでしょう。

けれど、対処療法のみで放っておいて治るもおではない、脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア。結局、この症状が次第に重くなり手術を勧められたとします。勧められた瞬間は、不安が大きくなかなか決断できない人も多くいます。

ならば、手術を検討する時に、根本的な原因を知っておいて、そこを改善していけば、いつまた発生しても落ち着いて対応することができるかもしれないと思いませんか?

 


根本的な原因とは?

坐骨神経痛の根本的な原因は脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、妊娠によるものとご紹介しましたので、ここまで読んだ方はこの3つだけだなと考えますよね。ところが、驚くことにどの状態になったとしても、必ず痛みなどの症状が出るわけではないのです。

 

背中曲がってきた、見た目に曲がっていると自覚している
ご高齢の方要注意です。

この腰の待った状態が長く続いている方は、
高い確率脊柱管狭窄しています。

だからと言って、全員が脊柱管狭窄症の辛い坐骨神経痛に悩まされているかというと、実はそうではありません。腰椎椎間板ヘルニアも、健康な成人の3割程度は椎間板が飛び出ていても無症状、無自覚です。妊娠中の場合も同じです。お腹の大きい妊婦さんであっても、誰もが等しく坐骨神経痛を訴えてはいないのです。では、痛みが出る人と、出ない人の違いはどこにあるでしょうか。

当院では根本的原因は「身体の歪み」であると考えます。
例えば、

・立っているときに、片足にだけ体重をかけていませんか?
・靴の片側だけすり減っていませんか?
・椅子に座っている時、足を組んだりかかとを浮かせたりしていませんか?

 

このような身体は、
余計筋肉緊張を生み、
身体歪みを作ります。

 

普通の緊張なら神経も圧迫されることもありませんし、筋肉が正しく緊張しなければ収縮も出来ないため、人間は動くことができません。ですが、普通以上の緊張、過度の緊張が続くと筋肉が硬くなり坐骨神経痛の症状を出すまでに至ってしまうのです。

 


坐骨神経痛の予防と改善

坐骨神経痛は、何らかの原因疾患があったとしても生活習慣を見直せば、痛みやしびれを予防・改善につながります。

正しい姿勢を保ちましょう

先ほど述べたように、姿勢の癖が身体の歪みになります。
正しい姿勢を意識し、保つようにしましょう。

畳や床に座るときは横座りや、正座を崩す座り方、両膝を立てて座る体育座り(三角座り)も避けましょう。体育座りは楽ですが、意外にも骨盤が後ろに倒れる座り方です。椅子に腰掛けるときは、足を組むのはやめて体重が左右の足に均等にかかるように座りましょう。

 

冷えを防ぎましょう

坐骨神経痛に限ったことではないのですが、冷えは身体にとって大敵です。痛みやしびれが強くなるからです。また、妊婦さんが身体を冷やすと坐骨神経痛も強くなりますが、お腹も張りやすくなり赤ちゃんにも良くありません。夏でも下半身を冷やさないようにしましょう。

 

肥満に注意しましょう

太り過ぎは腰にも脚にも負担がかかり、坐骨神経痛の痛みが悪化します。
適度な運動を心がけ、食べ過ぎや栄養の偏りに気をつけましょう。
妊婦さんも、医師から止められてない限りはウォーキングなどの運動をすることによって、妊娠中の体重増加を防ぐことができます。

 

ストレッチをしましょう

痛みの急性期で、症状が強かったり患部が熱を持っていたりする場合は別ですが、ストレッチはご自分でも出来て、手軽な筋肉のこわばりを和らげる方法です。
妊婦さんは、中期以降に医師の許可を得てマタニティヨガなどに参加してみるのも良いでしょう。

 


坐骨神経痛に効果的なストレッチ

               ~お尻にアプローチ~    

1.座った状態で手を後ろに付き、足を伸ばした状態から右足のかかとを
 左の膝上あたりに置きます。
2.そのままゆっくり左膝を曲げ、右のお尻をストレッチします。
3.そのまま10秒キープします。

これを1セットとして、左右3セットずつ行います。

 

    ~太もも裏にアプローチ~   

1.長座位になり、つま先を上に向けます。
2.背筋を伸ばしたまま、ゆっくり前屈をします。
3.痛みがあるちょっと前で止めて、そのまま10秒キープします。

これを1セットとして、3セット繰り返します。

 

*ストレッチを行なうときは、心地良いくらいのところで止める。
*呼吸を止めず、深呼吸をする。
*ゆっくり伸ばし、ゆっくり戻す。

 


まとめ

いかがでしたか?
坐骨神経痛の症状は広く知られていますが、その根本的な原因を知る機会はあまりないかと思います。脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアという疾患に目が向きがちです、実は原因は自分がつらいと思っている部分(=主訴の症状)にはないことも多くあります。

 

そのつらいけれど、原因のいまいちわからない症状、
我慢せずにぜひ、当院にご相談ください。

 

愛YOUカイロプラクティック院は、痛みやしびれという辛い症状を取り除きながら、筋肉の過度の緊張を取り、身体の本来の状態に回復するサポートをさせていただきます。

 

 

 

 

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