腰椎椎間板ヘルニア
・腰椎椎間板ヘルニアって何? ・腰椎椎間板ヘルニアとぎっくり腰って同じなの?違うの?
【腰椎椎間板ヘルニアって何?】
ヘルニアとはどういったものか、みなさんご存知でしょうか?
ヘルニアとは
“体内の臓器や構造が本来あるべき場所から飛び出してしまった状態”
のことをいいます。
腰椎椎間板ヘルニアとは本来あるべき位置から椎間板が飛び出して神経を圧迫し、激しい痛みやしびれを引き起こす症状のことをいいます。椎間板は、脊柱(せきちゅう)を形づくっている椎骨(ついこつ)と椎骨との間にある円板状の軟骨。これがずれた状態を椎間板ヘルニアといいます。
アンパンをイメージしてご説明しますね。
この椎間板はアンパンのような構造をしています。
外側のパンの部分は繊維輪といいます。
その中に髄核という粘性のアンコのようなものが入っています。
これらの後方には脊柱管という管が腰骨の中にあって、ここを神経が通っています。
このパンの部分が裂けてアンコが飛び出し、それが後ろにある神経を圧迫してしまっています。神経を圧迫することで痛みやしびれ、麻痺などが起こってしまいます。
【腰椎椎間板ヘルニアとぎっくり腰って同じなの?違うの?】
腰椎椎間板ヘルニアとぎっくり腰は両方とも“腰の痛み”という共通点がありますよね?「同じようなものなのかな?ちゃんとした違いはあるのかなぁ?」と感じていらっしゃる方もいると思います。実はこのふたつは異なる特徴と原因を持つ別の疾患なのです。それでは詳しくみていきましょう。
<ぎっくり腰>
ぎっくり腰は主に筋肉が伸びたり筋膜が損傷を起こしたりして痛みが起こります。
痛みは腰中心にのみ現れます。症状に襲われた直後は、それまで日常的におこなうことができていた行為や行動はほぼ不可能になってしまうことが多いですが、安静にしていれば数日で痛みが治まるのが通常です。
<椎間板ヘルニア>
椎間板ヘルニアは椎間板の内部にあるべき髄核がはみだして神経を圧迫してしまい、痛みが起こります。
症状は腰や足の痛み、しびれなどです。ヘルニアの場合は発症直後の痛みが長く続き、数日たっても治まらないこともあります。
ヘルニアは重症になると、足のしびれやマヒといった症状を起こす病気です。
ぎっくり腰と違って腰が痛くて歩けないのではなく、足がマヒして歩行困難になるという症状の違いがあります。
さいごに
ヘルニアとぎっくり腰にはそれぞれ違いがあることがわかりました。
ここで注目したい点がひとつ。
それは、ぎっくり腰の特徴である「ギクッ」という痛みです。
これは言わば腰の“ねんざ”のようなものです。
これが少し厄介でクセになりやすいのです。
「ギクッ!」という腰を何度も繰り返していくうちに、その痛みの強さの度合いが増してくると、最終的に椎間板ヘルニアになってしまケースがあります。
ギックリ腰と椎間板ヘルニアは別の疾患として扱われますが、関係がある事も確かです。ぎっくり腰になったことのある方は“ヘルニア予備軍”ともいえます。
「ギクッ!」とした痛みが起きる前にしっかり予防しましょう。