再発するシンスプリントは足指から治す?
簡単なチェックと練習法
運動部の高校生、シンスプリントで困っていませんか?
☑膝下が地味に痛い ☑脛(すね)の内側が痛い ☑脚がひきつる ☑足の痛みを冷やして治したことがある ☑マッサージをしているのに改善されない
シンスプリントは、走ったり、ジャンプをしたりすることが多い競技をしている方がなりやすい症状です。バスケットボール、バレーボール、サッカー、野球、マラソンなどに多く見られます。中高校生や女性に多く、脛骨過労性骨髄炎という、スポーツ障害の一種です。脛骨の表面にある骨膜が、付近の筋肉によってひっぱられたり、摩擦がおこることで炎症を起こしているものです。
炎症なので、冷やしたり、マッサージしたり、安静にしていたりすれば治るように思われますが、シンスプリントの場合は、それだけでは、一時的に痛みはなくなっても、また再発する人がとても多いです。
それは、シンスプリントの痛みを引き起こしている根本的な原因が、改善されていないということです。なんらかの原因で、関連する筋肉に余計な負荷がかかり、疲労を蓄積して痛みという症状となり、筋肉はさらに緊張をして、硬くなるという悪循環に入っているのです。
高校の運動部にもなると、練習時間も長く、休みもなかなかとれないことでしょう。しかし、足の痛みや違和感を、そのままにしていてはいけません。テーピングで治るということもありません。我慢をし続けてしまうと、走れなくなり、いずれみんなと同じ練習はできなくなります。痛みが出ている今、きちんと休んで治療することが大事です。
重症化してしまうと、痛みは日常生活時にもでるようになり、治療期間は年単位で長引きます。疲労骨折という危険もあります。早いうちに、シンスプリントの専門家での、再発を防ぐ根本的な治療を、おすすめします。
今回はシンスプリントになりやすい人の特徴と改善法をお伝えします。シンスプリントかも?だとしたら自分で何ができるかな?と思っている方の為の情報です。
シンスプリントになりやすい人の本当の原因
人間の足は、骨の組み合わせとそれを補強する筋肉が、うまく働き合うことで、上からの体重に耐えています。しかし、何らかの理由で、どちらかが役割を果たさなくなると、もう片方がそれを補うように働くことになります。この働きすぎが、長期間に及んでしまうと、痛みを発症するようになります。
足部の骨の形でもっとも重要なものは、アーチです。足のアーチで、地面からの衝撃を吸収しているのですから、アーチが崩れている人は、足の筋肉を痛めてしまいます。また、かかとの骨がずれている場合も同じです。脛骨に関わる筋肉は、足部に付着していますので、体重のバランスをとるために、筋肉に無理な力が加わり、結果筋肉を痛めることになります。
シンスプリントになりやすい人に、扁平足(足のアーチが機能していない)人や、かかとの骨が、内側や外側に傾いている(回内足・回外足)人が多くいるのはこのためです。
足部に構造的な問題があって、足部の筋肉に余計な負担がかかり、結果シンスプリントを引き起こしている状態では、マッサージやテーピングや冷却などの一時的に炎症を抑えるといった対処療法では、一時的に痛みが治まったとしても、また再発をしてしまいます。
足のチェックからはじめよう
足の骨や筋肉がうまく機能しているかどうかは、足指の動きで分かります。またシンスプリントの要因となる脛骨に沿った筋肉の中に、足の指先まで到達しているものがふたつありますので、足の指が、うまく機能しているかどうかはシンスプリントにとって重要なポイントになります。
とくに足の小指と薬指の骨は、かかとの骨までつながっていて、かかとにかかる体重を、前方向に逃がす役割があります。小指、薬指がきちんと動くことで、身体が自然で正しい前重心になり、骨や筋肉の余計な負担が減ります。
まっすぐに立って、足指の力だけで前に進みますか?
足指で、床をつかむようにして前へ進みます。
足指で、グー・チョキ・パーができますか?
グーは、足指の根本の第三関節から全部の関節がしっかり曲がりますか?チョキは、親指だけ立てて、あとの指は握ります。
足指の機能を回復しよう
足指は意識して鍛えないと、きちんと動きません。毎日数分でよいので、トレーニングをしてください。ただし、痛みがでない程度で。足指グーパーが難しかった方は、まずは、足のマッサージから始めましょう。あせらずゆっくり、続けることが大事です。
👆足指の3つの関節を意識して、手でゆっくりと曲げたり、ひろげる。 👆足の指の間に、手の指を入れて、ゆっくり足首を回す。
足指トレーニング
裸足で、少し足を開いてまっすぐ立つ。
①かかとは、地面につけた状態で、足指を少し浮かすようにして、指をゆっくり広げる 3秒キープして、指を閉じる。3回ほど繰り返す。 ②親指は地面を押すようにして、他の指を広げる。 ③親指以外の指を、地面に押し付けるようにして、親指だけ上に上げる。 ④足指で、床をつかむように、ぎゅっと力を入れて曲げます。 3秒キープして、ゆっくり戻す。
*慣れてきたら、チェックで行った、グーチョキパー運動や、足指の地面つかみ前進運動などを一日に数分行ってください。あとは、できるだけ裸足で生活したり、5本指の靴下をはくのも、とても有効です。
おわりに
なかなかシンスプリントが治らない、何度もぶり返してしまう場合は、一度足部の見直しをされるとよいでしょう。足指の機能がきちんと働くことで、膝下の筋肉への負担が軽減されます。また足指の筋肉を鍛えることで、ふくらはぎの筋肉も鍛えられます。
そして再発予防のためにも、アスファルトばかり走らない、スパイクで走らないというようなことも忘れないようにしてください。