外反母趾
両足の外反母趾を放っておくと歩けなくなる
3つの理由
買い物や旅行で歩いていると痛くて歩けなくなってしまう。
外反母趾の痛みはなった人にしかわからないものですが、とても辛いものですよね。
けれど、人の身体は不思議なもので、外反母趾の痛みも放っておくと段々引いて来て、いつの間にか痛くなくなった!ラッキー!なんていうことがよくあります。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、ではないですが、痛くなければ気にならないのが当たり前です。
しかし、それは、本当に治ったのでしょうか?
よーく見てみると……片方だけだった外反母趾が、反対の足も変形してきてはいませんか?
あれ?今度は反対側が痛くなってきた?
実は、外反母趾で悩んで当院にお越しになる方にお話を伺っていると、今のような経緯を辿って来られている方がとても多いのです。
片足だけだった外反母趾の痛みが無くなったと思ったら、今度は反対側に外反母趾の変形と痛みが出てきて、それが前よりも酷くなっていることも多々あります。
ここでは、今まさに「両足が外反母趾になってきた」という人に向けて、今の内に治療を行うことの大切さをお伝えしたいと思います。
ちょっとショッキングなこともあるかも知れませんが……何よりあなたの人生を大切にして欲しいので、包み隠さずにお話しますね。
外反母趾を放っておくとなぜ怖いのか?
治ったと思ったのに、今度は反対側も?
思わず大きなため息が出てしまいそうですよね。
せっかく我慢して治ったと思ったのに、今度はこっちが外反母趾に……。
この段階で外反母趾の治療をし始める方はナイスタイミングです。
まだ「痛みという症状だけ」であるなら、治療は十分可能だからです。
ちなみに、片方が外反母趾だな、と気付いてすぐに予防として治療を行うのがベストタイミングですが……今となっては詮無きことですね。
さて、外反母趾で本当に怖いのはこの後です。
もし、このままきちんとした治療を行わず、また痛みを我慢して放っておくと、どういうリスクがあると思いますか?
痛みも我慢していれば不思議と無くなっていくのでそのまま放っておくこと数十年。
―老後を迎えようとしたあなたは、ご自分の足を人に見られるのが心底嫌になってしまいました。何故なら、足の親指が完全に人差し指に重なってしまい、とても綺麗とは言えない状態だからです。それも両足とも。
その上、歩く時は早く歩けないし、ヨタヨタとふらついている気もする。腰も同年代と比べると曲がっているし、友達はみんな元気に旅行に行くのに私はいつもお留守番。
だって足が痛くてお買い物も一苦労なのに、旅行なんて……。
あれ?そう言えば、外反母趾の痛みはもう治ったと思っていたのに?―
これは、あくまで一つの可能性です。
けれど、十分に起こり得る未来です。
事実、こういった状態でなんとかして欲しいと来院される老後の方は後を絶ちません。なかには、まだまだ若いのに、という方もいらっしゃいます。
外反母趾は「痛み」という症状に目が行きがちですが、本当に怖いのは自分では気付かないところでじわじわと進行している骨格の変形です。それも、単に見た目が悪いというだけでなく、最終的には「歩けなくなる」ところまで悪化してしまうリスクがあります。
歩けなくなるというのは比喩ではありません。
実際に外反母趾が原因で歩けなくなるのです。
周りの同年代の友達が元気に旅行や趣味を楽しんでいる傍らで、満足に歩く事すらできず寝たきりのような生活を送りたいとは、恐らく誰も思いわないですよね。
人一倍早く、ベッドの上で過ごすだけの生活を送りたいので無ければ、両足の外反母趾は今すぐにでも治療を行うべきです。
外反母趾を放っておくリスクとは?
さて、脅すようなことを言っても、何十年も先のことなんて妄想の域です。
実際にどうなるかは、その時にならなければわかりません。
ですので、今度は直近の、近々あなたの身に起こるだろうリスク―あるいは既に起こっているかも知れませんが―についてお話していきたいと思います。
『おしゃれな靴を履けなくなる』
外反母趾の悩みとして特に多く耳にすることですね。足の指が変形しているために幅の狭いスリムな靴が履けなかったり、痛みのせいで靴自体あまり履きたくないということは外反母趾あるあるです。
女性の方は特に、足元から気を配って全身のコーディネートをしていると思いますが、おしゃれな靴を履けないために、おしゃれな服を着れないという相談もよくされます。 残念ながら私はおしゃれに疎いのでそのアドバイスは出来ないのですが(笑)
ただ、外反母趾のせいで履きたい靴が履けない、着たい服が着れないというのはなんとかしてあげたいと思います。
履きたい靴を好きな時に履けるというのは、実はとても貴重なことなんですね。
『家の外に出かけることが億劫』
仕事でも遊びでも、外に出掛けることは日々あると思います。家にいることがほとんどだとしても、まったく外に出掛けないということは無いでしょうし、もしそういう生活であればケガや病気などやむを得ない事情があるのだと思います。
もしかすると、
その事情のなかに「靴を履くと痛いから」というのがありませんか?
誰だって痛いのは嫌です。靴を履いて痛いなら、靴を履かないように段々と生活が変わってくるのも自然なことです。
けれど、もしそういった生活が本当は好きではなくて、外に出掛けたいというのであれば、靴を履いた時の痛みは治療することがあなたの生活を充実させるために必要かも知れません。
出不精な私でも、ずっと家の中にいては気が滅入ります。
ちょっと散歩をする。ちょっと買い物に行く。ちょっとした日帰り旅行に行く。
そういったちょっとしたことを楽しめるようになると、嬉しくありませんか?
『運動能力の低下』
運動能力というと、スポーツをよくする人だけの話のように感じるかも知れませんが、ここで言う運動とは「立つ」とか「歩く」というレベルです。
外反母趾を、それも両足の外反母趾を放っておくと、ただ「立つ」、ただ「歩く」だけのことが難しくなってしまうのです。
人の2足歩行が実はとても複雑なことをしている、という話は聞いたことがあるでしょうか?2本足で立って歩いて、しかも荷物を持ったまま曲がったり昇り降りを当たり前に出来るために、筋肉や関節が複雑に噛み合っているのが私たちの身体です。
特に足先は一番下で、一番体重が乗るところです。体重を常に支えながら、動いても倒れてしまわないように調節しているのが足の指です。
例えば、外反母趾になってからまっすぐ歩きにくくなったり、つまづきやすくなったり、走るのが苦手になったりはしていませんか?
足の指の変形である外反母趾があると、指先の調節が効かないので身体のバランスがとりづらくなり、両足ともなるとかなりふらふらしやすい状態です。
誇張ではなく、「立つ」とか「歩く」といった当たり前に出来るはずのことが、だんだん難しくなってくるのです。
その行きつく先が「寝たきり生活」なのです。
今すぐにでも外反母趾を治療したほうがいい3つの理由
1.外反母趾は放っておくと進行していく 2.外反母趾は進行するとおしゃれや買い物が出来なくなる 3.外反母趾のままだと「寝たきり」になりやすい
外反母趾であるということは、当たり前であることが出来なくなるということです。
おしゃれな靴を履いて、行きたいところへ、自分の足で出掛ける。
そんな当たり前のことが出来なくなるのが外反母趾です。
放っておくという選択肢はリスクが高過ぎます。
けれど、正しい治療を行えば、そういったリスクをかなり低くすることが出来ます。外反母趾であっても、おしゃれな靴が履けて、行きたいところに、自分の足でいつでも行けます。
今回はまず、外反母趾であることのリスクを知って頂きたいと思い、そのリスクをまとめました。
次回は、実際に外反母趾を治療するには何処へ行けばいいのかについて、ざっくりとまとめていきます。
外反母趾、治そうかな……
と思われた方は、是非そちらも参考にしてみてください。