そもそも肩こりってどういうこと?
~肩こりプロセス【骨盤】編~
肩こりを引き起こすのは、実は肩甲骨だけではない!
ここまで肩甲骨と肩こりの関係について述べてきました。
すでに、上で述べたようなセルフケアや、ご自身でストレッチをしている方もいらっしゃると思います。それでもあまり改善が見られない場合、肩甲骨だけではなく別の原因も考えられます。
それがズバリ肩こりの原因のもう一つの骨、「骨盤」なのです。
先ほどの「肩こりが起こりやすい人の姿勢とは」で述べた「座った時の姿勢不良」のような姿勢を、もう一度思い浮かべてみましょう。
ソファや背もたれのある椅子に浅く腰掛け、
背中の上の方が背もたれにくっついている姿勢。
この姿勢が骨盤を歪ませます。
とは言え、「骨盤って肩こりに関係あるの?」と思ってしまいますよね。
そういう方にこそ、読み進めていただきたいと思います。
骨盤のしくみを知ろう
骨盤は左右一対で腰にあり寛骨(かんこつ)、仙骨(せんこつ)、尾骨(びこつ)という骨でできており、体の土台となって人間の姿勢を支える機能があります。
また、膀胱や女性であれば子宮などの内臓を納めて守ってくれています。
骨盤の歪みには種類があります。
◆骨盤のねじれ◆
左右の骨が前か後ろに同時にねじれている、または別々にねじれている。
◆前後の歪み◆
骨盤が前に倒れたり、後ろに倒れたりする。
◆左右の傾き◆
左右どちらかの骨が上がっている、または下がっている。
もしくは同時に起きている。
これらのいずれか、または合わせて起こっている状態が骨盤の歪みといいます。
カバンをいつも同じ側にかけるとか、体重を左右どちらかだけにかけて立つとか、
脚を組むなどで骨盤は歪んでしまいます。
そんなことで?と思ってしまいたくなりますが、毎日の無意識での積み重ねというのはいつしか身体へ大きな負担になることもあるのです。
縁の下の力持ち!骨盤の役割
骨盤は身体のバランスを保ち、上半身を支えているので、骨盤が歪むと上半身も歪んでしまいます。骨盤の歪みに伴って正常とは異なる方向へ骨盤周囲の筋肉もが引っ張られます。これにより、必要のない負荷がかかってしまい、こりや痛みを生じます。
家をイメージしてみて下さい。
基礎となる土台がしっかり安定していなければ、そこに建っている家がどんなに立派でもいずれグラグラ、倒壊してしまうかも・・・
人間の体でも同じことが言えます。
骨盤の歪みが起こる→背骨が曲がる→筋肉にこりが生じる→肩こりが起きる
というふうに骨盤の歪みが肩こりの原因を作り出してしまうのです。
骨盤の歪みと言われれば、目に見えて歪んでいるようにイメージしてしまいますが、
実際に歪みがあるのは1センチにも満たない0.数ミリ程度です。
大きくても1センチだと言わています。
たったこれだけの少しの歪みが体の不調に繋がっているのです。
骨盤の歪みの原因は様々で座り姿勢の悪さが影響したり、女性であれば妊娠出産を経て歪んでしまったりすることもあります。肩こりは男性より女性の方が症状を自覚しているという調査結果があることを考えると、やはり骨盤の歪みが関係していると言っていいでしょう。