不妊症


子供がほしいけれど、なかなか妊娠しないことで「不妊治療」を行っている方や、まだ自分が不妊かどうかはわからないけど気になるという方のために、今回は不妊についての簡単な知識をまとめています。

知らないよりは知っている方が安心できるし、何をすればいいかも決められると思います。不妊かも?と悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。

 


不妊症とは

近年、「妊活」という言葉も浸透し「不妊症」は決して珍しいものではなくなってきました。

 

「不妊」は病気ではありません。
妊娠しなかったこと」を指す言葉です。

 

WHO(世界保健機構)では、赤ちゃんが欲しいと願っている健康に異常のない夫婦が、一般的な夫婦生活を行なっているにもかかわらず、1年以上妊娠しない場合を不妊症と定義しています。健康的な25~30代前半の男女が、排卵日に合わせて夫婦生活を行った場合、妊娠する確率は20~30%くらいといわれています。意外に低いと感じるかも知れませんね。

そして、継続して妊娠を希望し、夫婦生活を行った場合は6か月以内に65%、1年で80%、2年で90%、3年で93%が妊娠に至るとされています。このデータから考えると、1回では妊娠しなくとも数ヶ月、少なくとも2年程経てば赤ちゃんを授かる人がほとんどです。

しかし、現に赤ちゃんが出来ないと悩む夫婦が多いのは、「妊活」という言葉が浸透するまでになったことからもよく分かります。

 

妊娠には、年齢大きな要素となります。

20代でも妊娠しにくい人もいますし、一概年齢だけが理由とは言えません

 

30代前半の男女が妊娠する確率は20~30%というのはお話しました。ではそれよりも年齢が上がるとどうなるでしょうか。一般的に、30代後半だと15~18%程度、40代になると1~5%程度と徐々に自然妊娠の確率は減っていってしまいます。

もちろん確率がゼロではないのも確かなのですが、高齢出産と言われる35歳より前に妊娠するのが母体の健康の点からも望ましいのも事実です。そうは言っても、なかなか思い通りにいかないのが妊娠です。

 


排卵~妊娠に至るメカニズム

はじめに、妊娠するまでにどういう経過をたどるのかをお話します。

1.卵胞(らんぽう)の成長

卵胞とは女性が生まれたときから持っている卵子の入った袋です。
その中から、毎月数個が選ばれ卵巣の中で排卵に向けて育っていきます。
脳の視床下部からは、脳下垂体にホルモンの製造指示が出ます。
それを受け、脳下垂体は卵子を発育させる卵胞刺激ホルモンを分泌させます。

 

2.着床の準備

卵胞はエストロゲンを分泌し、子宮内膜に働きかけて子宮内膜が厚くなってきます。

 

3.排卵

排卵を促す黄体形成ホルモンを上昇させて、その指令を卵巣に送ります。
受精するために必要な厚さまで子宮内膜が増すと、指令によって
卵巣から卵子が飛び出て卵管に入り、受精を待ちます。

 

4.卵胞の変化

卵子が出た後の卵胞は黄体に変わり、そこから黄体ホルモンが分泌されます。
さらに子宮内膜をフカフカにするように働きかけます。

 

5.受精、着床

卵子と精子が出会うと受精し、受精卵が着床となります。
受精しなければ、厚くした子宮内膜はいらなくなるため、
剥がれ落ちて血液とともに排出されます。これが月経(生理)です。

これらのメカニズムがスムーズに動けば、妊娠は成立します。

身体的の機能的にはどこにも問題がないのに妊娠に至らないのであれば、このメカニズムのどこかがうまく働いていないということになります。

 


自律神経と不妊

現代の日本人は、自律神経が乱れている人がとても多くいます。
昔とは違う生活環境、生活習慣、そしてストレス(身体的、精神的)などの要素が絡まり合い、交感神経と副交感神経のバランスがとれなくなった状態を自律神経失調症と言います。実は、自律神経の乱れは不妊とも大きな関係があるのです。

自律神経は、ホルモンの分泌にも関わっています。
脳の視床下部から脳下垂体にホルモンを分泌する指示が出て、卵巣からホルモンが分泌されるので、脳下垂体と卵巣が良い連携を取るために自律神経の働きは欠かせません。

交感神経はいわばアクセルで、身体や脳を興奮状態にさせ、様々な機能をフル稼働させる神経です。現代の日本人はこの交感神経が常に興奮しっぱなし、アクセル全開状態がずっと続いており、副交感神経との切り替えがうまくいかず乱れてしまうのです。

その自律神経が乱れると、当然ながらホルモンバランスも乱れます。そしてホルモンバランスが乱れると、さらに自律神経も乱れるという悪循環になってしまいます。

このように自律神経とホルモンバランスは、どちらかが悪くなるともう一方も悪くなってしまうという密接な関連性があるのです。

 


頭蓋骨と自律神経

ホルモン分泌は脳の視床下部から脳下垂体への指令が必要です。
ということは、脳を守っている頭蓋骨の歪みも不妊に関係があります。

頭蓋骨って歪むの? と疑問を抱く人が多そうですね。頭蓋骨は、丸い一つ骨ではありません。23個の骨がくっついてあのような丸い形を作っています。

頭蓋骨の中には23の骨があってパズルのようにつながっていて
それぞれの骨が色別に分かれてます。
骨が分かれているため、それぞれの骨の間には関節があります。

そのひとつひとつの骨が0.数mm単位でズレが生じてしまうと、脳脊髄液の循環が滞ることがあります。

脳脊髄液は脳と脊髄の周りを薄く満たしている液体ですが、脳脊髄液の循環が悪くなると視床下部や脳下垂体の働きも悪くなり、ホルモンバランスも乱れ、結果として自律神経の乱れにつながります。

 


頚椎と自律神経

不妊で悩んでいる方の身体を診させていただくと、頭蓋骨を支えている頚椎が歪んでいる人がとても多くいます。特に、7個あるうちの頚椎の1番目と2番目は、視床下部や脳下垂体をまとめた「脳幹」を支えているので、ここが歪むと当然のことながら視床下部や脳下垂体の働きが悪くなってしまい、自律神経を乱すのです。

 

視床下部脳下垂体働き低下ホルモンバランス崩れ自律神経乱れ

 

というように、全てが繋がっているわけです。

 


骨盤と不妊

骨盤は内臓を納めている重要な骨で、子宮や卵巣も骨盤に守られています。骨盤は背骨の一番下にある仙骨と、その両側にある大きな骨である腸骨からつくられています。3つの骨がくっついているので、つなぎ目の少しのずれから左右非対称になってしまいます。これが、妊娠や出産を左右することがあるのです。

子宮は骨盤の中にあって、周りにあるいくつもの靭帯によってあるべき場所に支えられています。しかし、骨盤に歪みがあると、左右の靭帯の引っ張る力も左右非対称になり、子宮も左右どちらかに引っ張られるような形になります。

その結果、子宮は大きなストレスにさらされ、ホルモン分泌の異常により無排卵になったり、子宮内膜も均等ではなくなり一部が薄くなってしまったりして、受精卵が着床しにくくなります。他にも精子の通り道が歪んで通りにくくなったり、子宮の血流が悪くなり妊娠が継続しにくくなったりなどの、妊娠に不向きな要素が出て来てしまいます。

 

また、骨盤歪み内臓下垂要因ともなります。

 

胃や腸が下がってくると、その下にある子宮や卵巣を圧迫して、正常な血流の妨げになります。そのため、子宮や卵巣の機能低下を招いてしまうのです。

それ以外に、骨盤は子宮口の向きにも関係しています。猫背姿勢の人の多くは、骨盤が後ろに傾いています。そうすると、本来身体の後ろを向いている子宮口が下向きとなり、受精卵も下へ降りやすくなってしまい、着床に結びつかない結果となります。

不妊というと生殖器の問題ばかりに目が行きがちですが、子宮や卵巣を守っている骨盤の歪みが、こんなにも影響を与えているのが分かりますね。

 


肥満と不妊

イメージ的には痩せすぎの人は妊娠しにくいのでは?と思う人が多いでしょう。ところが、肥満の人の方がより妊娠しにくいというのは、あまり知られていないかと思います。

日本で肥満とは、BMI(Body Mass Index)という肥満の指標の値が25以上と定義しています。

 

BMI=体重kg ÷ (身長m)2

 

この値が25以上となると

・糖尿病
・高脂血症
・高血圧

などの、メタボリックシンドロームと言われる病気の発症確率が高まることも分かっています。そして、妊娠に適したBMIの数値は「22」と言われています。つまり痩せすぎも、やっぱり妊娠には適していないということです。

なぜ肥満になると妊娠しにくくなるのでしょうか。

 

☑そもそも肥満傾向の人は、ホルモンのバランスも乱れていることが多い。

☑卵巣周りにも脂肪がつき、排卵しにくい。

☑不妊治療をしても、ホルモン剤が脂肪に吸収されて効果が出にくい。

☑肥満の人ほど、胚(受精卵が分割したもの)の質が悪く流産しやすい。

 

このような理由があります。もちろん肥満傾向の方でも、妊娠出産をした人がいないわけではありません。とは言え、妊娠に至っても産道に脂肪がついていて普通分娩は難しいなどのリスクもあります。

妊娠しやすい身体作りのためには、肥満を解消するのはとても大切なこと。
けれど、妊娠を急ぐあまりに焦って無理な食事制限をしたり、過剰なダイエットをしたりすることは、ストレスがたまる原因となり、ホルモンバランスも自律神経も乱してしまうため、逆効果です。

BMIが25以上の方は、1ヶ月に最初の体重の5%減を目標に、バランスの良い食事や運動を取り入れてダイエットをしてみましょう。

 


まとめ

今回は不妊とはなにかについてご説明しました。

肥満や自律神経の乱れ・身体の歪みを整えないままに妊娠すると、つわりや坐骨神経痛、腰痛などの妊婦さん特有のマイナートラブルに悩まされやすくなります。

 

妊娠生活は、人生の中でも限られた時間です。

貴重な時間を快適に過ごすためにも、

妊娠する前から身体不調整えておきましょう

 

愛YOUカイロプラクティック院は、単なる骨盤の調整だけではなく、自律神経や頭蓋骨に至る全身のバランスを整え、赤ちゃんが育ちやすい身体づくりを行うことができる治療院です。妊活整体はもちろんのこと、ダイエット整体も行っており、妊娠中、出産後のお母さんもたくさん通っています。

ぜひ一度、ご相談ください。

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