自分の意志とは無関係に身体の機能を制御している“自律神経”というものをご存知でしょうか?
普段、私たちは、自分の意思で体を動かしていますよね。
けれど、自分の意思とは無関係な体の働き(拍動や呼吸、消化など)のほうが、身体全体の働きとしては9割近くを占めています。
そういった働きを自律神経と総称します。
この自律神経というのは、外部からの刺激や情報に反応して、自分の意志とは関係なく身体をコントロールします。
自律神経の働き
自律神経というのは、全く逆の働きを持つ「交感神経」と「副交感神経」の2つの働きによって機能しています。
交感神経は私たちが日中活動している時に働いており、副交感神経というのは、夜間、休息している時などリラックスしている時に働きます。
これらの神経は同時に働くことはありません。どちらかが活発に働いている時は、片方の働きは弱くなります。
公園にある、シーソーのようなイメージです。普段これらの神経がバランスよく働くことによって私たちの健康は保たれています。
交感神経
交感神経が働いているのは、主に昼間です。
勉強している時や運動している時、または緊張している時などに働いています。
スポーツの試合前などは緊張して心拍数がものすごく上がりますよね。
身体のパフォーマンスを上げるためには、全身にたくさんの血が流れる必要があります。
全身に血を流すために、心臓を早く鼓動させる必要があるのです。
この働きを制御しているのは交感神経になります。
副交感神経
副交感神経が働いているのは、主に夜間です。
眠っている時が一番働いていますが、他にもお風呂に入っている時や、音楽を聴いている時など、ゆったりとしている時にも働いています。
この時、筋肉は柔らかく緩み、心拍数も遅くなります。
副交感神経が働いている時には、疲労回復や皮膚の再生などが行われており、副交感神経が働くことで、美容にもいい影響があります。
2つの働きのバランス
本来、人間はこの2つの神経がバランスよく働くようにできていますが外部からの何らかの影響により、このバランスが極端に崩れることがあります。
このバランスが崩れることにより、常に倦怠感があったり、イライラしたり、頭痛が起こったりと、身体に様々な悪影響が出てきます。
このことを「自律神経失調症」と言います。
この自律神経失調症というのは、急に起こるものではなく、日々の積み重なりによって徐々に症状が出てきます。
特に原因として世間に知られているのは、ストレスですね。
普段からストレスをため込んでいると、交感神経が異常に働く状態が続き、不眠症などを引き起こしてしまうかもしれません。
そして、ストレスというのは精神的ものだけでなく、身体の歪みからのストレスのほうが多い場合があります。
自律神経失調症と診断される人の多くは、身体に筋肉や骨格の歪みがある状態で生活しており、そのために症状が続くのです。
自律神経というのは、普段私たちは意識しない部分ですが、人間の全ての臓器をコントロールしています。
この交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうと、全身に悪い症状が出てしまいます。特に現代はストレス社会です。
そもそもストレスを全く感じずに生きていきことは不可能です。
自身にかかるストレスを上手く発散することが、心身の健康と直結してきますので、日々の生活の中で、少しだけでも意識してみて下さい。