前回、骨盤の歪みが引き起こす痛みについてご紹介しました。実は痛みの原因は骨盤の歪みだけではありません。

  内臓の異常や、性病、出産の痛みなど様々な原因が考えられます。今回は、そういった骨盤の歪み以外の原因に着目し、ご紹介します。

 

 

 

 

1.考えられる原因は?

 

 考えられる主な原因として

 

・骨盤の歪み

・骨盤周辺の部位の損傷

・骨盤周辺の臓器の異常

 

等が考えられます。また、女性の場合出産により大きく開いた骨盤が閉じ切らずに安定せず痛みを生じる事があります。

 

  骨盤の歪みが引き起こす痛みについては前回のブログでご紹介しておりますので、チェックしてみて下さい。

骨盤が痛いのは歪んでいるから?

 

 

2.骨盤周辺の部位の損傷

 

 骨盤そのものには原因が無く、骨盤周辺の部位の損傷によって痛みが生じる事があります。特にお尻(尾てい骨周辺)や、太ももの付け根、恥骨周辺に痛みを訴える方が多いようです。

 

 

2-1.お尻(尾てい骨周辺)

 

  この部分に痛みが出る方は主に一日中デスクワークであったり、立ち仕事であるケースが多いです。この時、一日中同じ場所に負担が掛かっているため、その一部に炎症がおき、痛みが生じます。

  特に仙骨(骨盤の中心の骨)は身体の重力の中心であるため負荷が集まりやすく、この仙骨がバランスを崩すと身体の軸ごとずれてしまいます。

また、一日中同じ体勢を続けると楽な体勢になろうとします。つまり、背骨が曲がり、骨盤は後傾します。

  しかし、楽だからといって骨盤を後傾させたままの姿勢を続けていると、仙腸関節はどんどん歪んでいきます。

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2-2.恥骨周辺

 

  恥骨は骨盤の下の方に位置しています。この痛みも尾てい骨の痛みと同様に、長時間のデスクワークや立ち仕事が大きな負担になっています。

  こういった恥骨や尾てい骨への負担を減らすためには、1時間に一回ほど立って、軽いストレッチをすることが望ましいです。また、恥骨炎といって、恥骨周辺の炎症により痛みがでることもあります。例えば、恥骨を押した時に痛みが出ます。

 

  その他にも恥骨は転倒によって骨折が起こりやすい部分です。自分で判断することは困難ですので、レントゲン等で早めの検査を行う事が大事です。

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2-3.太ももの付け根

 

  この太もも付け根の股関節周辺も痛みが出やすい場所です。特に骨盤が左右に歪んでいると、左右の足の長さに差が出てきてしまいます。

その結果、左右非対称な歩き方や座り方になってしまい、太もも周辺の股関節に負担が掛かってしまうというわけです。

  また、梨状筋や大腿筋膜張筋などの太もも周辺の筋肉の疲労よってそれらの筋肉が硬くなると、骨盤に余計な負荷がかかり痛みが生じる事があります。

  特に太ももを酷使するスポーツをしている場合は注意が必要です。

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3.内臓疾患の場合

 

 実際は内臓疾患により直接、骨盤が痛むわけではありませんが、骨盤周辺、特に下腹部に痛みを生じます。

 

 

3-1.虫垂炎

 

  虫垂炎、いわゆる盲腸は、右の下腹部に痛みを伴います。細菌感染で炎症が起きている状態であり、診断が難しい疾患でもあります。

  症状が似ているため、胃腸炎と勘違いすることが多い疾患ですが、症状としては虫垂炎の場合、痛みが徐々に右下腹部に移動していきます。

  吐き気や嘔吐、食欲不振が顕著に現れますので、右下腹部とこういった不調が続けば愛はすみやかに診察を受けましょう。

 

 

3-2.胃腸炎

 

  その名の通り、胃腸が炎症を起こしている状態です。ウイルスや細菌が原因で、胃腸が荒れてしまう事が原因ですが、胃腸炎によって腰痛や股関節痛が引き起こされる場合があります。

  胃腸の調子が悪くなると、自然と胃腸周辺の筋肉が緊張状態になり、負担が掛かってしまいます。これにより、腹痛だけでなく腰痛や、股関節回りまで痛みが出てしまうのです。

  胃腸炎になってしまった場合にはしっかりとした体調管理が必要になってきます。特に水分補給です。嘔吐や食欲不振により、身体は脱水状態に近く、水分が体外に出続けると、脱水症状まで引き起こします。

  定期的な水分補給、そして食事は消化に良い物をとり、胃腸を休ませてあげる事が大切です。

 

 

3-3.膀胱、尿管、腎臓の異常

 

  膀胱炎というのは、私たちが考えているよりも身近な病気であり、女性が一生に一回は経験すると言われています。そのほとんどは抗生物質の服用で治ります。症状としては、排尿後の痛みや頻尿が考えられます。

  膀胱は、骨盤の近くにあるため膀胱が収縮し、粘膜を刺激してしまい、恥骨やその周辺に痛みを感じる事もあります。

 

  尿道が痛んでいる場合、膀胱炎とは少し異なります。膀胱炎は排尿後の痛みに対し、尿道炎は排尿時に痛みを伴います。また、膿が出てくることも考えられます。

 

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女性は出産による影響も

 

  女性は出産時にリラキシンホルモンという骨盤周辺の靭帯や筋肉を緩めるホルモンが分泌され、骨盤が開きやすくなります。これはスムーズに出産するために必要な現象であり、出産後は徐々に開いていた骨盤は閉じ始めます。

  しかし、この過程でうまく骨盤が閉じ切らずに開いたままで安定してしまうと痛みが出てしまう事があります。

 

4.こわばった筋肉をほぐす

 

  骨盤の痛みに共通しているのは、骨盤周辺の筋肉が固まってしまう事で周りの関節や靭帯に負担をかけている、という点です。

  骨盤の痛みを防ぐためには、日ごろから、股関節周りの筋肉を柔軟にしておくこと、また、こわばってしまった筋肉をほぐしてあげることが大事です。

  普通に生活していてもどこかでずれが生じ、筋肉は凝ってしまいます。気づいた時でいいので、凝っている部分をマッサージやストレッチでほぐしてあげるといいですね。

 

 

5.まとめ

 

  骨盤の痛みと言っても骨盤自体の痛みや、その周辺の痛みなど様々です。

  ただの骨盤の痛みだと軽く見ていると、骨盤骨折などといった重大な怪我に繋がってしまう可能性があります。また、内臓に異常がある場合、すみやかに医師の診断を受ける必要があります。自分では判断することが難しい症状ですので、日頃から自分の身体の変化をチェックしておきましょう。

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