「肘を動かすと痛いっ!」

そう感じている方、そう感じたことがある方、実は…その原因が肘にない場合があることをご存じですか?
きっと痛みの軽減に役立ちますので、是非読んでみて下さい。

まず肘の痛みは、大きく分けて【手首】【肘】【首】の三つに分類されます。
また、どの組織が影響を受けているかにより症状が変わってきます。

 

症状の原因

まず、内側の痛みであればゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)が考えられます。
これは肘を酷使することで表れる症状です。

顆とは肘の内側と外側にある骨の隆起部分で、筋肉の腱の部分が付いています。
筋肉を使うたび一番に負荷のかかるのは、筋肉本体ではなく腱で、その腱と骨(上顆)の間の部分に大きな負荷がかかり痛みの原因となるのです。
特に内側が痛む場合は、ゴルフ肘が重要な症状となりますがゴルフをしなくても、肘の内側が痛む方は多くいます。

実は…手首が原因!!

肘の痛みで最近多いのはパソコンのキーボードやマウス操作です。
しかしキーボードやマウスの場合、手首の動きが頻繁なので手首の痛みを肘より先に感じる場合が多いのですが、長い年月やマウスの使用頻度により内肘の痛みになります。

組織学的な問題も考えられる…。

ここで問題になるのは「腱」です。
腱とは筋肉と骨をつなぐ組織で、筋肉が動いた時に一番物理的な負荷がかかる場所です。

そして文字通り、腱を納めている「腱鞘」。
これは腱の可動が非常に頻繁に行われる場所(手足の関節や指など)その腱が複数集まる場所に多く、それぞれの腱の動きをよりスムーズにし、摩擦を低下させる機能があります。

例えば自転車のブレーキワイヤーにチューブ状のパイプがありブレーキワイヤーがその中を通りますが、これによりワイヤーの動きが滑らかになり、ブレーキ部分にしっかりと力がかかります。
体も全く同じ構造で、手首がどのように曲がっても力が末端まで届くようにするため、このような仕組みとなっています。しかし、その機能以上に動かしたり負荷をかけると腱鞘に炎症が起こり内部にある滑液が過剰に分泌されたりして、腫れと痛みを伴うのです。

神経組織に問題がある場合…。

腕の神経は頚椎(首の骨)から伸びており、首の部分に問題があるケースです。

例えば交通事故などの鞭打ちや、複数回の寝違い等も原因となります。
特に頚椎7、8番、胸椎1番は内側部分の肘に神経支配があります。

また、大きな事故などがある場合はその損傷具合にもよると思いますが、そのような事がない場合、上記のように頚椎の個別の神経により症状が出ている可能性があります。
この類の痛みは、首の骨の矯正が必要になるために非常に慎重な対応が必要となります。

筋肉を含めたその他の原因

神経が体の中を通る時、特に腕の神経は、上記のように首の神経が合わさり、肘の方向へ神経支配をしていきます。この時神経は筋肉の合間や骨格の合間を縫って腕まで到達します。
その際、筋肉の部分的な収縮や、筋肉と骨格の間が狭い場合、これらのスペースの減少により肘の痛みを起こすことがあります。このような症状を胸郭出口症候群といいます。

 

痛みへの対処法

まず何度も同じ動作により起こるケースです。
これは間違いなく、その動作を控える必要あります。そのような時は今一度基礎を大切にして、基礎的な下半身、上半身のウェイトトレーニング等の他のトレーニングに切り替えることをお勧めします。

次に手首から肘の内側に痛みがあるケースです。
上記に挙げたようにマウスの操作が挙げられますが、これは手首な過度の動きが原因です。
手首の代わりに親指を使うことで手首の損傷を防ぐ事が出来ます。
例えばトラックボール型のマウスを親指でボールを回すタイプであれば手首は全く動きません。さらに、手の中でも最も可動域の大きい親指を使うことは非常に理想的です。

組織から肘への痛みのケースでは、
まず神経組織に大きな事故等で損傷がないことが前提になります。
神経組織の話の際にお伝えしましたが、肘の神経は首からきています。
この神経は脊椎(首や背中の骨)の間から伸びており、様々な組織に神経を行き渡らせます。
その脊椎にズレや歪みがあると、この間から伸びる神経の伝達機能に影響が出ます。
このズレや歪みを正せば、肘の痛みは解消します。
骨格関連の施術する時は少なくとも、胸椎や頚椎の矯正が必要とされます。

最後に筋肉やその他のケースです。
筋肉などの部分的な収縮により神経を圧迫する場合、特に小胸筋付近が非常に問題となります。
小胸筋の下には腕に行く神経が通過しており、この部分の圧迫は内肘を含めた神経的な痛みや症状の原因となります。

 

まとめ

さて、いかがでしたか?
このように肘の痛みでもその原因や場所は非常に様々で、痛みの部分だけを診るだけでは改善しない事もあります。他の部分が原因、もしくは他の部分を複合的に含むことがあることを覚えておいて下さい。

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