起立性調節障害は今すぐ学校と病院に相談してもいいんです


朝、子供が何回起こしても起きずに学校へ行けない
☑朝はめまいがあって起きていられないが、夕方になると元気になる
☑食欲がなく、長く立っていられない
☑不登校にならないか心配だ

近年、上のようなお悩みの学童期~思春期のお子様が増えています。
お子様の辛い状態を見るのは、親御さんとしても胸が苦しい思いをされていると思います。朝起きられないという症状は、一見すると怠けているのではないか?ただのサボりなのではないか?と誤解も生みがちです。

これらの経験をしたことのある子どもを責めてはいけません。
実は、これらの症状は「起立性調節障害」の可能性があります。決して怠けやサボりではありません。

どのような症状で、どういうものかお話してきます。
この記事を読んで、起立性調節障害とはどういうものか、まず親御さんに理解を深めていただき、自分たちだけではないんだ、安心して学校に相談してもいいんだと思ってもらえるお手伝いになれば嬉しいです。

 


起立性調節障害ってそもそもどういうもの?

当てはまるものに✔を付けてみましょう。

朝起きられない
立ちくらみやめまいがある
立ち上がると気分が悪くなったり失神したりする
お風呂に入った時などに気分が悪くなる
動悸や息切れがある
顔色が悪い
食欲がない
腹痛がある
倦怠感がある
頭痛がある
乗り物酔いをする

ガイドラインでは、上記の3つ以上に当てはまり、なおかつ他の疾患(鉄欠乏性貧血、心疾患、てんかんなど)がない場合は起立性調節障害と診断されます。

お子様が不調を訴えると、とても心配になりますね。
病院へ行って、「起立性調節障害ですね」と言われても、聞き慣れない名前に更に不安が増すこともあるかと思います。今現在、病院等を受診して薬を服用していても、この状態がいつまで続くのか、薬を飲んで治るのか、学校に行けるようになるのか、という焦りもあるのではないでしょうか。

起立性調節障害は、自律神経系の乱れで本来なら日中に活発になるはずの交感神経が働かず、朝起きられない、めまいが起こるといった症状が現れます。そして夕方~夜になると、本来ならば副交感神経が優位になり、ゆったりして眠気が来るはずが、まだ交感神経が活発なままなので夜寝られず、また次の日の朝起きられないという悪循環のループになってしまうのです。

自律神経が乱れる原因は様々で、心身のストレスや、第二次性徴期において身体の成長と心のバランスが取れないなどがあります。そのため心身のストレスからという場合は小学校3・4年生から症状がある子どももいれば、第二次性徴期の観点からは少額高学年~中学生くらいの年代に急激に増えています。また、男女比は1:1.5~2で女子の方が起こりやすくなっています。

きっかけはストレスなどの精神的なものだとしても、出ている症状は上記チェックを見ても分かる通り、全て「身体的なもの」です。「気合の問題だ」「根性が足りない」など、本人が頑張ればどうにかなるものではないということを念頭に置いておかなければなりません。

朝起きられない、または起きてもめまいがして立っていられない、ふらふらする、という状態では学校へ行くのは難しいですね。とは言っても、ずっとそのままだとますます学校に行きづらくなり、不登校になってしまうのでは・・・と思う不安な気持ちもよく分かります。

 


大丈夫です。病院だけでなく学校へも相談しましょう。

近年は、起立性調節障害も医療機関や教育機関でも広く知られるようになってきました。
誤解を恐れるあまり、学校や周囲の人、だれにも相談できずに苦しい思いをご家庭だけで抱え込んでいるかも知れませんがその必要はありません。
特に学校側へ起立性調節障害の理解を求めるのは、治療の一環だからです。

担任の先生だけで不安な場合は、学年主任以上の先生も交えて話ができるように伝えましょう。学校側へ理解を求めるために、主治医からのアドバイスをもらえるように相談することも必要になってきます。

起立性調節障害の治療の手順に「学校への指導や連携」が含まれているため、医師もノウハウは持っています。学校へ相談したときに万が一、「根性論」を推し進められ、話が進まなければ「身体的な問題であり、根性や気合で治るものではないことを医師から学校へ指導してもらうようにしましょう。医師によっては、教師に来院を促して直接話す対応をとってくれる場合があります。

 


まとめ

今回は起立性調節障害とはどういうものか、どこへ相談すれば良いのかというお話でした。親御さんも不安が大きいと思いますが、お子様の抱えている不安はそれ以上です。
まずは起立性調節障害が身体的な症状であることを理解し、ご家庭で一緒に症状に向き合って行きましょう。

大切なのは、自分たちだけで抱え込まないことです。
SOSを発信するのことができれば、助けてくれる人、手伝ってくれる人がたくさんいます。起立性調節障害について詳しい医療機関を受診し、さらに学校と連携を取ってお子様が元気に登校できるように症状が軽いうちに相談しましょう。

 

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