台所仕事と腰痛
シンクの高さは、気にしたことはありますか?
低いと、どうしても前かがみの姿勢になりますね。
シンクの理想の高さは、一般的に、身長÷2+5㎝です。
高齢の方は、もう少し低めでよいとされています。
理想の高さと違う場合、
腰の負担を減らすには、椅子を使うのが良いです。
椅子といっても、浅く腰かけられる、ハイチェアです。
目線そのものを下げることによって、前屈みの姿勢を防ぎます。
しかし、ちょうどいい椅子・・座ったまま作業ができる、ちょうどいい高さというのは
なかなかないですよね。
身長で違ってきますから、人それぞれですし、
高さの調節ができるものなら理想的ですが、少しお値段が張りますね。
値段、大きさ等、迷いに迷って、結局、椅子は邪魔だなと、思ったら
足元に台をおくことを、おすすめします。
10~20㎝の台に、片足だけ乗せます。 いらなくなった新聞や雑誌などでもよいです。 自分で、こしが楽になる高さを、実際に足を置いて調節して下さい。 そして、作業中、乗せる足は、時々替えて下さい。
片足を乗せただけで、腰が楽になるのを、実感できます。
股関節とひざが曲がることで、腰まわりの筋肉に緊張が緩み、
背筋が自然に伸びます。
短時間なら、足を肩幅に開いて、軽く膝を曲げる。
これだけでも、腰の負担は減ります。
少し腰が痛いときは、ちょっとした立ち作業でも、
やってみてください。楽になりますよ。
また、これから、家を建てる、リフォームする場合は、
ぜひ、シンクや調理台、ガス台の高さを、気にしてください。
洗濯と腰痛
洗濯かごは、大きいですか?
家族が多い方、毎日洗濯をしない方は、たくさん洗濯物が入るほうがいいので、
少し大きめが、便利ですよね。
しかし、洗ったあとの洗濯物は、とても重いです。
乾燥時の約1.5倍とされています。(※素材によっても変わってきます)
容量9㎏の洗濯機に、8割つめこんで洗った場合、
洗い終わった洗濯物は、約11㎏になっています。
けっこう重いですね。一気に持つと、腰にきます。
干場まで、運ぶ場合は、ぜひ小分けにしてください。
それから、かごの置き場も大事です。
椅子でもいいので、何か台の上に、かごを必ず置いてください。
かごから洗濯物をとりだすときに、
なるべく腰を曲げないですむのが、よい高さです。
持ち上げるのに、高低差があるほど、負担が大きいです。
曲げないと届かないときは、まずひざを曲げて、
腰を下げるようにしてください。
もしも、洗濯機を買い替える場合は、
上部に、取り出し口があるものが、腰には楽です。
低い前面扉のドラム式の場合は、
洗濯物の出し入れ時には、掃除のときと同じように
片膝をついて、しゃがんでくださいね。
ちょっとしたことですが、腰の負担が全く違いますので。
そして、洗濯物をたたむ作業は、できれば、テーブルなど、
立ってできるように工夫したいものです。
どうしても座ってしなければならないときは、
正座・あぐらなどで、短時間で済ませます。
横座りは、腰を傷めますので、ダメです。
作業が終わったら、必ず片手をついてから、
立ち上がってください。
両手で洗濯物をもったまま、いきなり立つと、
ぎっくり腰になってしまう場合がありますので要注意です。
まとめ
毎日やっている家事ですが、腰にとっては負担の大きいものが、
たくさんあることを、お伝えしました。
しかし、では腰痛もちは、家事はしない方がいいのかというと、
そうではないのです。
腰痛には、
適度な運動がよく、
家事もまた適度な運動に含まれます。
最近の研究では、家事が、慢性腰痛につながってしまう原因として、
家事にストレスを感じているということが一番大きいということがわかりました。
実際、家事というものは、やって当たり前と思われがちで、感謝されることが少なく、時間に追われる中、楽しんだりする余裕はないという方が多いと思います。
また几帳面な方だと、ついつい完璧を求めて、家事に追われてしまう状態になっているかもしれません。多くの方が、どうしても、家事をすることで、ストレスが溜まりがちになります。
さらに、掃除が好きでない、料理が苦手である。家事を楽しめない。という場合、
最も慢性腰痛になりやすいという結果がでています。
反対に、家の中を、自分の好きなもので揃えたり、キッチンにこだわったり、
料理を楽しんだりしている方は、家事による腰痛になりにくいということです。
腰に良い工夫をしながら、家事という良い運動を、楽しんでください。