膝痛の原因とは?

歳とともに軟骨がすり減り骨と骨が摩擦を起こし関節が変形してくる変形性膝関節症が、膝痛の中で主な原因になります。
痛風や関節リウマチでも痛みが出ます。
しかし、膝痛の治療をしていたけれど痛みが軽くならない、よく調べたら膝痛の原因が膝以外のところにあるのも、珍しくないのです。

その症状は、

①強ばるなどの違和感
②階段を上り降りする際や立ち上がったときに出る痛む
③炎症によって腫れて痛む

と言った具合に、次第に強い症状が出てきます。

では、膝の痛みが出ないようにするには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか?

〇自分の体重が膝を苦しめている⁈


私たちが日常生活で、歩く、立つ、座るなどの動作がスムーズにできるのは、膝の関節が正常に機能しているからです。
人が歩くときには体重の2〜3倍、階段の上り下りをするときには6〜7倍もの負荷が膝にかかっています。
つまり、体重が重くなるほど、膝にかかる負担も大きくなるわけです。
肥満の人は膝にかかる負担が大きく、クッションの役目を果たしている軟骨がすり減りやすくなります。
その結果、骨同士がぶつかりあって炎症を起こし、膝痛が生じるのです。
また、太っている人の膝は内側に余計な負担がかかり、O脚傾向になります。O脚が進むと、内側の軟骨がすり減って、ますます関節の内側に負担がかかります。
膝への負担を軽減するために、適正な体重を保つことが大切です。

〇膝周りの筋力を高める!


まずは筋力トレーニングが必要です。
膝は動かさなければ痛くないので、なるべく外に出ないでじっとしている人がいます。
でも、そのうちに大腿四頭筋など脚の筋力が落ちて、膝がぐらぐらしてきます。
膝が不安定だと、よけいに痛みが出ます。
治療としては、鎮痛剤を飲んだり、湿布を貼ったり、場合によってはヒアルロン酸の注射も効果があります。
ヒアルロン酸は潤滑剤です。
週1回、5回ワンセットの関節内注射で痛みが軽くなるだけでなく、関節内を滑らかにする意味もあります。
そうやって痛みを取りつつ、筋力トレーニングや膝の曲げ伸ばしの運動など保存療法を続けることが基本です。
具体的には、椅子に座って足をまっすぐに伸ばしたり下ろしたりする運動を、毎日続けるだけでもいいのです。
特別にジムでトレーニングする必要はありません。
逆に、器械を使ったトレーニングは、膝を傷めてしまう場合がありますから注意が必要です。
自分で動かすトレーニングの方が効果的です。

〇鍛えておきたいっ! 膝の周りにある筋肉

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
太ももの前側にある筋肉です。大腿直筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋の4つの筋肉で構成されています。膝の曲げ伸ばしをする際に、重要な役割を担っています。

前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
脛骨と足首をつなぐ筋肉です。足首を引き上げる、内側に反らす、土踏まずのアーチを維持するといった働きがあります。アーチが崩れるといわゆる扁平足になって、膝や足首、腰などに負担がかかりやすくなり、膝痛の原因になります。

腓腹筋(ひふくきん)
ふくらはぎを構成する筋肉のひとつです。膝や足首の曲げ伸ばしをサポートします。腓腹筋が弱ると、足首の動きが悪くなって、膝の動きが不安定になります。

〇膝関節の柔軟性の向上

日頃から筋力を高めているから大丈夫!…と思っていても、筋肉が硬く使えない状態では膝を正しく動かす事は出来ません。
そこで、筋肉の柔らかな状態を保つためのストレッチをご紹介します。

柔軟性を向上させるストレッチ

膝裏のストレッチ
①椅子に浅く座り、背筋を伸ばします。同時に左足を前に伸ばし、かかとを床につけ、つま先をできるだけ立て、ひざ裏を中心にふくらはぎ、太ももの後ろをしっかり伸ばします。
②①の姿勢から両手をつま先に向けて伸ばし、ふくらはぎ、ひざ裏、太もも後ろをストレッチ。そして、右足も同様にストレッチを行います。

膝水平上げストレッチ
①椅子に浅く座ります。そして、お腹に力を込め、右足を前に伸ばして少し浮かせます。
②①の姿勢から右足が床と水平になるまで上げ、上げきったところでつま先をできるだけ立てます。その時、ひざ上に力を込めて10秒間キープ。左足も同様にストレッチを行います。

太ももの前側(大腿四頭筋)を伸ばすストレッチ
①壁に片手をついて立ち、片足の膝を曲げ、つま先をつかみます
②つま先をお尻の方へ引き寄せ、太ももの前側を伸ばします
③息を吐きながら30秒キープします
④反対側も同様に行い、左右2〜3セット行います

すねの前側(前脛骨筋)とふくらはぎ(腓腹筋)のストレッチ
①床に座って両足を伸ばします。
②つま先をゆっくりと遠くに伸ばして、すねを伸ばします。
③つま先をゆっくりと手前に引き寄せ、ふくらはぎを伸ばします。
④②〜③を10回繰り返します。

きっと膝の痛みに、さようなら出来る!



いかがでしたか?
今、膝の痛みが気になる方も、長い間膝の痛みに悩まれている方も、すぐに諦める必要はありません。
まずは今、ご自身の膝の状態を知った上で、予防や改善を行いましょう!

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