肩こり、腰痛、膝痛、関節痛、急には治らないこれらの症状にお悩みの方は多くいらっしゃると思います。また整体や整骨院へ行って治してもらおうと思ったのに、患部の施術を受けると「イタタタタ。」と言ってしまう時はありませんか?
「痛くても我慢しないと治らない」とはよく言いますが、痛さをこらえると体に力が入り、返って痛みを強く感じてしまいます。今回は痛みを我慢しない、上手な痛みの流し方をご紹介します。
呼吸法で痛みが和らぐ?!
痛みにもいろいろな種類がありますが、想像を絶する痛みの一つに出産があげられます。出産の痛みは鼻からスイカが出てくる感覚、陣痛に至ってはスイカが鼻に入ってくる感覚があると例えられるほど壮絶です。経験された方はうんうんと頷いて頂けるかと思います。
テレビドラマの出産シーンでよく観ませんか?出産で必死にいきむ女性に向かって看護師さんや助産師さんが「はい!!息はいてー!頑張ってー!」と励ましているシーン。出産経験のある方や出産立ち合いをしたパートナーさんはあの壮絶な光景が思い出されたのではないでしょうか。出産の痛みを耐えるための方法が「ヒッ・ヒッ・フー」で知られるラマーズ法です。想像を絶する痛みに一番効果的なのが呼吸法なんですね。
すなわち、呼吸には体と心の緊張を解いて、心身ともにリラックス状態へと導き、痛みを和らげていく効果があります。
呼吸は息を吐いてから吸うことが基本!
さりとて、実際に痛みに耐えている時、「落ち着いて~呼吸して~」と言われても我慢の真最中は呼吸どころではありません。上手く呼吸をしようと意識するあまり、思うように呼吸が整わず、さらに緊張してしまい痛みも増してきてパニック状態になってしまいます。
痛みを感じている時は、無意識に緊張して全身に力が入ってしまっています。呼吸法は、呼吸に意識を集中させることにより、緊張状態の心身から意識的に力を抜き、リラックスする方法です。息をはくことにより体の緊張がほぐされ、筋肉が緩んできます。筋肉を緩めることで自律神経のバランスが整えられ体の痛みを緩和してくれます。
意識的に呼吸をしようとすると、多くの人は息を吸うところから始めてしまいます。息を吐くために体に空気を入れようと無意識に思っているからです。けれど、実は息は吐くところから始めます。“呼吸”という言葉もそうですね。まずは今ある空気を出し切って、新しい空気を入れる。呼吸は息を吐くことから始めることを心がけましょう。
痛みの緩和は、胸式呼吸より腹式呼吸!
痛みが和らぐのは息をはいている時です。多く息をはくための呼吸法は、腹式呼吸がお勧めです。
腹式呼吸をすると肺の容量が一番大きくなります。たくさん空気を吸って息をはくので、はく息が長く続きます。ちなみに私たちが普段行っている呼吸は胸式呼吸です。
胸式呼吸と腹式呼吸の違いは、深呼吸をしてみたときによく分かります。胸式呼吸は吸った時に肩が上がり、吐いた時に肩が下がり脱力します。腹式呼吸の場合は、はく時に腹筋に力を入れてはくので脱力はしません。吸う時肩もあがりません。
胸式呼吸は浅いのに対し、腹式呼吸は深く呼吸することを意識して行います。吐く時にお腹に力を入れ、吸う時はふっと力を抜きます。やってみると意外と簡単ですよ。
いかがでしたか?普段の呼吸を変えるだけで痛みを和らげることができるなんて、お金も時間を掛からずお得ですよね。
ポイントは緊張とゆるみ(弛緩)の違いを感じながら、ゆったりとした呼吸で力を抜くことです。ぜひ腹式呼吸をマスターして上手に痛みと付き合いながら改善を目指しましょう。
次回は腹式呼吸の方法を詳しくご紹介します。