ヘルニア ~頚椎椎間板ヘルニア~
3回にわたり、整体と深く関わりのある
・腰椎椎間板ヘルニア ・鼠径ヘルニア ・頚椎椎間板ヘルニア
についてお話しています。最後は首のヘルニアである頚椎椎間板ヘルニアについてお話します。
「ヘルニア」と耳にして、イメージするのは「腰痛」つまり腰の症状である、腰椎椎間板ヘルニアである場合が多いと思います。それだけ、腰椎椎間板ヘルニアは一般的にもよく知られる疾患となりました。一方、頚椎=首で「ヘルニア」が起こってしまうことは、あまり知られていません。 こちらの記事をきっかけに【気を付けるべき首の症状】を知っていただけたら嬉しいです。
頚椎の仕組みと、驚くべきたくさんの働き
脊椎のうち、首にある7個の椎骨で、腰椎と同じく前側にカーブしています。
頚椎は全身を整える司令塔とも言われ、その働きは多岐にわたります。
1.頭を支える働き 2.首の動きやあごの動きをコントロール 3.肩甲骨を動かす働き 4.腕や手を動かす働き 5.自律神経への影響
などです。
人間の頭の重さは体重の1割くらいです。体重50kgの人ならば、頭の重さは5kg。5kgの米袋が首の上に乗っていると考えると、首への負担は相当なものだと分かりますね。
普段何気なく動かしている、手先や腕の動きに深くかかわるのも頚椎です。
・肘の曲げ伸ばしができない ・手の指を握れない、手の指を広げられない ・手首を上に反らす事ができない
これらの症状がある場合は、頚椎に原因があるサインです。
頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎の椎間板が飛び出して、神経を圧迫してしまいしびれ・痛みの症状が出ます。そのプロセスは腰椎椎間板ヘルニアと同じです。場所が腰か首かの違いですね。
腰椎椎間板ヘルニアと違う点は、頚椎椎間板ヘルニアは腰椎椎間板ヘルニアと比べて「なりにくい」のです!椎間板ヘルニアと言われるとどうしても「腰」のイメージが強いのは、そもそも頚椎椎間板ヘルニアは少数派だからなのですね。
ではなぜ腰に比べて少ないのかというと、
それは椎骨の骨の形の違いのためです。
・腰椎は椎骨が平ら
腰椎は椎骨が平らで、その間に挟まれている椎間板がつるっと出てきやすいのです。 ハンバーガーを食べたときに、パンに挟まれたハンバーグが滑って 飛び出してしまうことがありませんか?イメージとしてはあのような感じです。
・頚椎の椎骨は平らではない
頚椎の椎骨は平らではありません。 そのため、骨の端っこが防波堤のようになり椎間板が飛び出しにくい形状 になっています。
逆に考えると、飛び出しにくいということは、元に戻りにくいということでもあり、一度頚椎椎間板ヘルニアになってしまうと治りにくいのです。
頚椎椎間板ヘルニアの症状
全身の司令塔と言われるだけあり、頚椎の不調は全身の不調につながり、症状も多岐にわたります。
症状は1➡2➡3➡4の順に悪化していきます。
また、圧迫されている神経の場所によっても症状の違いがあります。7個ある頚椎を上から数えて1番目、2番目、3番目までにある神経は、頭に繋がっているため
・頭痛 ・吐き気 ・眼精疲労 ・視力低下 ・耳鳴り
などの、頭部を中心とした症状が起きます。
一方、4番目、5番目、6番目、7番目の神経は手や腕に繋がっているため
・手や腕のしびれ ・握力低下
などの症状が生じます。
一見すると、首とはあまり関係も無さそうな症状もありますね。吐き気や眼精疲労、耳鳴りなどの症状は、頚椎が自律神経と関わりがあることの証だとも言えます。
頚椎椎間板ヘルニアと言われたら
痛みや違和感を覚え病院を受診し、検査の結果、頚椎椎間板ヘルニアと診断されたらどのような治療が行われるでしょうか。
基本的な治療としては
・薬物療法(痛みに対して飲み薬や湿布、ブロック注射など)
・物理療法(痛みのある場所に電気、牽引、マッサージ、コルセットの使用)
これらは全て症状に対しての治療となります。そのため、少し症状が良くなったと思ってもまたぶり返し、治りきらないために不安を感じてしまう人も多いでしょう。
症状が進み、下半身症状が出ると日常生活にも影響が出ます。
そうすると医師から手術を勧められる人も多くなります。とは言え、手術は誰しもが不安に思うものです。
例え手術をして、飛び出した椎間板を削り神経の圧迫がなくなったとしても、結局は根本的な原因が分からなければ、いつまた再発するとも限りません。
頚椎椎間板ヘルニアの原因
このまま薬や物理療法だけで治るのか不安・・・
だけど、手術はもっと不安・・・
と考える方は、頚椎椎間板ヘルニアがどうして起こってしまうのか気になっているのではないかと思います。原因が分かって、そのアプローチができれば身体的にも精神的にも負担は軽くて済みますよね。
頚椎椎間板ヘルニアの原因は大きく4つに分けられます。
1.怪我や事故など首への直接的な損傷 2.仕事やスポーツなど首を酷使したことによる損傷 3.加齢による頚椎の損傷 4.身体の日常的な使い方の不良(姿勢不良)
1や2の原因が多いと思われがちですが、
頚椎椎間板ヘルニアの原因で圧倒的に多いのは
4の姿勢の不良や、
日常的な身体の使い方の不良です。
身体の使い方が悪いがために、結果的に頚椎へ負担がかかりヘルニアが起こってしまうのです。腰椎椎間板ヘルニアの回でもお話しましたが、身体は一つのユニットであり、切り離されていません。
姿勢の悪さ、歩き方や走り方の悪さなど、個々での違いはありますが、日常的な身体のクセが頚椎に大きく影響してしまうことを知っておいて欲しいと思います。
さいごに
全3回にわたりお伝えしてきました「3つのヘルニアは整体と深く関わりがある」というお話。その意味がお分かりいただけたのではないかと思います。
頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアも、鼠径ヘルニアも、
【手術しかない】
という状態から【整体により改善する人】は多数います。
症状が出ている部分だけを見ると手術、という考え方になってしまうのかも知れませんが、愛YOUカイロプラクティック院は、症状は結果に過ぎないという考えの下、全身のバランスを基準にあなたの身体が正常の機能を発揮できるよう、根本的に改善していきます。その辛い症状をぜひ一度ご相談ください。