くつを履くと親指の付け根が痛んだり、親指が小指の方に折れ曲がっていたりする方はいらっしゃいませんか? ひょっとすると、外反母趾かもしれませんよ。聞いたことはあるけれど、どういう症状なのかよくわからないという方もいらっしゃると思います。
今回は、そんな外反母趾についてご紹介いたします。
【外反母趾とは】
外反母趾とは、一般的に親指が小指側の方に「くの字」に曲がったものをいい、このときの角度のことを外反母趾角(HV角)といいます。日本整形外科学会では、この外反母趾角(HV角)が20度以上のものを外反母趾と定めています。
整形外科では、外反母趾かどうかを調べるために、レントゲンやX線検査を行い、①外反母趾角(HV角)、②第1・2中足骨間角(M1-2角)、③第1・5中足骨間角(M1-5角)を計測します。
①外反母趾角(HV角)とは、母趾基節骨軸と第1中足骨軸のなす角度で、母趾の外反変形の程度を示します。
②第1・2中足骨間角(M1-2角)とは、第1中足骨軸と第2中足骨軸のなす角度で、第1中足骨内反の程度を示す角度で、正常値は6~9°です。
③第1・5中足骨間角(M1-5角)とは、第1中足骨軸と第5中足骨軸のなす角度で、前足部の開張度の指標になります。この角度は、25°を正常値とし、30°以上が異常値になります。
【外反母趾の種類】
外反母趾には、以下のような5種類があります。
①靭帯性外反母趾
足の親指が付け根から小指の方へくの字型に曲がってしまうという、一般的に考えられている外反母趾です。幼少の頃から靴下を履かせたり、安全な室内だけで遊んだりすることにより、足の筋力が低下してしまうことによって起こります。
②仮骨性外反母趾
親指はそれほど反っていないものの、付け根の骨が異常に発達して仮骨が形成され、ボコッと出てしまっている外反母趾です。
指先を上げて歩いたり、親指の付け根部分に異常に力を入れ、親指を強く打ちつけてしまうことにより起こります。
③混合性外反母趾
靭帯性外反母趾と仮骨性外反母趾が合併している外反母趾で、中年以降の女性に多く発生すると考えられています。最初は、靭帯性か仮骨性のいずれかを発生し、年齢が増すにつれ、両方の要素が現れるようになります。
④ハンマートウ性外反母趾
足の指が折り曲がり、足先がハンマーのように曲がってしまっている外反母趾で、先天的要因を持たれている人に多いです。
先天的要因
・足の指先が極端に上を向いている
・足の指先が異様に細くて長い
・足の指が生まれつきハンマーのように縮こまっている
⑤病変性外反母趾
リウマチやへバーデン結節などの病気、怪我や事故などにより、著しい変形や脱臼を伴う外反母趾です。治療するには、手術しかないと言われています。
【外反母趾のセルフチェック】
外反母趾かもしれないと思われた方、外反母趾かどうかセルフチェックしてみましょう! 用意するものは、紙とペン、定規、分度器のみです。
①紙の上に足をおきます
②定規を親指の付け根の部分とかかとに当て、つま先の方に向かって線をひきます
③親指の付け根の部分から、親指の先端に向かって線をひきます
④2本の線の間の角度を測ります この角度が外反母趾角(HV角)です。
外反母趾角の角度が
9°~15°:正常
20°未満:軽度、
20°~40°:中等度、
40°以上:重度
になります。
外反母趾と言っても、一概に症状は同じというわけではなく、発生の仕方によって、種類が異なります。ほとんどの場合、整体で治すことが可能なので、セルフチェックで外反母趾の疑いがあった場合は、ぜひ施術を受けてみて下さい。
また、セルフチェックで軽度の範囲内であっても、放置することによって症状が次第に悪化していき、気付いたときには重症になっていることもあります。当院でも外反母趾の施術を行っておりますので、症状の軽いうちに治療を始めてみませんか。