「足の親指が痛い…」靴を履くと痛みを感じ、ひどい場合だと歩くのも困難ということはありませんか?外反母趾や痛風がその症状の代表として挙げられますが、そのほかにも親指が痛くなる症状はあります。どのような症状が考えられるのでしょうか?
○痛風
痛風とは、血清尿酸値が高くなった結果、関節に結晶化した尿酸が析出、結晶となって足の関節に溜まり炎症を起こす疾患のことで、足の関節・甲、アキレス腱、かかと、くるぶし、手首、ひざ、ひじ、耳、指などの関節部分に痛みが生じます。外反母趾と症状が似ているため、間違われやすいです。
「尿酸値」の数値が7.0mg/dLを超えると、痛風になりやすくなります。アルコールは、肝臓で尿酸を作る働きを助ける働きをするため、痛風の発症リスクを高めます。特にビールを良く飲まれる方は注意が必要で、痛風になった方の90%以上は男性です。
○巻き爪・陥入爪
巻き爪とは、爪の両端の先端部分が、内側に湾曲した状態のことをいいます。陥入爪は、巻き爪が進行して、皮膚に食い込み、炎症を起こした状態を指します。巻き爪や陥入爪の原因は、爪を切り過ぎる深爪や、靴の圧迫、運動やスポーツ、加齢などがあります。
○強剛母趾
強剛母趾とは、足の親指(母趾)の付け根にある関節が変形して起こる変形性関節症です。繰り返し中足指節関節部分にストレスがかかり続けると、関節の軟骨が破壊されて変性を起こし、骨棘(こっきょく)と呼ばれるトゲができます。この骨棘が増殖を続けると、関節のすき間が減り、骨同士が互いにぶつかり合って、関節の動きが悪くなります。具体的な症状としては、地面を蹴りだす「蹴り返し」の際に、親指を反らそうとすると痛みが生じます。
○種子骨炎
種子骨(しゅしこつ)炎とは、第一中足骨の骨頭下部にある「種子骨」と呼ばれる骨の周囲に炎症が起き、足の親指の裏側に痛みが生じる疾患です。
ハイヒールで長時間立ち仕事をしたり、スポーツなどでつま先をよく使うことの多い方がなりやすいです。
○外反母趾
外反母趾とは、親指が小指側にくの字型に曲がった状態のことで、15度以上曲がっていると外反母趾と診断されます。足裏にタコや魚の目が出来ている場合は、外反母趾である可能性が高いです。
外反母趾になる大きな要因の一つとして、足に合っていない靴があります。特に、女性の場合は、ヒールや先の細い靴などを履くため、つま先が圧迫され、親指の変形が起こりやすいです。また、外反母趾になっている人は、偏平足や開帳足を併発していることが多いです。
これらの症状がみられる方は、外反母趾になる危険がありますので、早期に治療を始めることが必要です。
外反母趾には、いくつか種類があります。靭帯性外反母趾、仮骨性外反母趾、混合性外反母趾、ハンマートゥ性外反母趾、病変性外反母趾の5つです。親指が小指側に曲がって痛いのは、靭帯性外反母趾です。
軽症の場合は、テーピングや靴選びの指導、体操(ホーマン体操、タオル寄せ体操)などを行います。また、外反母趾の場合、足裏のアーチのくずれが原因になっていることが多いので、足底板などのインソールでアーチ矯正をすることもあります。病変性の外反母趾の場合は、手術による治療が必要です。
足の親指が痛くなる症状として、考えられるものは一つだけではありません。痛風や巻き爪、強剛母趾、外反母趾など様々な症状があります。
また、治療やケアの方法も症状によって変わってきますので、適切な治療を行うことが必要です。当院では、外反母趾の矯正も行っておりますので、ぜひ一度施術を受けられてみてはいかがでしょうか。