足のタコ
見過ごせない、足のタコ
素足になる機会が多い季節になりました。
靴下を履いているときは、気にならなかったタコ。
素足になってみたら、けっこう気になりますよね。
お手入れしながら、
「なんでいつも同じところにできるのかなぁ」
「タコができない足になれたらいいな」
と思ったことはありませんか?
タコはどうしてできるのでしょうか?
また、タコができる人と、できない人の違いはなんでしょうか?
今回は、足のタコについて、その原因と予防についてお話します。
足のタコは、足の悲鳴!
タコは、一部の皮膚の表面(角質層)が、厚く盛り上がって固くなった状態をいいます。慢性化した場合は、表面が白く乾燥し、ガサガサになります。
タコとよく似た症状に、魚の目がありますが、魚の目には芯があり、タコには芯がありません。また、タコは一般的に骨の上、固い部分にできます。タコは、ある一部分の皮膚に、繰り返し物理的な圧迫刺激を与えた結果、その部分が、厚く覆って守るという、皮膚の防御反応です。
つまり、
その原因となる
物理的な圧迫刺激を、取り除かないかぎり、
タコは再発します。
その圧迫刺激のほとんどは、合わない靴をはいていることによるものですが、合わない靴をはき続けることで、足の形を徐々に変形させ、結果的に病気を招いてしまうことがあります。
また、タコができている場所によっては、何らかの病気のサインであることもありますので、痛くないタコであっても、要注意です。タコは、足裏からの異常のサインです。足の悲鳴といってもいいでしょう。見過ごすことなく、この機会にきちんと向き合いましょう。
タコができる人・できにくい人
まず、「足」という部分は、くるぶしから指先までをいいます。
そして、驚くことに、片足で、28個の骨からできています。
身体全体で、約208個の骨ですから、両足でその4分の1です。
思ったより多かったのではないでしょうか?
足は、意外にも多くの骨で構成されています。
なぜなら、それだけ足にかかる負担が、大きいからです。
ゆっくり歩くときに、足にかかる重さは、体重の1.2倍と言われています。
ということは、50㎏の女性が、一歩歩くごとに60㎏の負担が、足にかかっているのです。走れば、約3倍といいますから、一歩で180㎏!
これは、大変な負担です。
この負担を、足は踵の骨とつま先部分で、分散させて受けています。
さらに、腱、筋肉、血管、脂肪によっても衝撃を緩和しています。
衝撃吸収で、一番重要なのは、足裏の3つのアーチです。
足裏の3つのアーチが美しく保たれ、足の構造のひとつひとつが十分に機能している場合、タコができることは、まずありません。
アーチが崩れてしまうと、足にかかる負荷をバランスよく分散できなくなり、様々な症状が、足に現れてきます。そのひとつが、タコです。
つまり足裏のバランスが崩れ、特定の部分に繰り返し負荷がかかった場合、
そこにタコができます。タコと、足の骨の状態は、密接な関係があることがわかります。タコのある位置で、ある程度、身体の問題点が、予想できます。
とくに、何年も同じところにタコができる人は、要注意です。
持って生まれた足の形というのもありますが、合わない靴をはき続けることで、足の形は、その靴に合うようにゆるやかに変形していきます。
また、歩き方、歩く姿勢によくない癖がついていて、足の一部分だけ強い負担がかかっていることもあります。
根本的な原因は、
実は靴ではなく、あなた自身の足の構造にある場合が多いのです。
タコができる場所でわかる、身体の問題点
ケース1 足裏の第2指と第3指のつけ根のあたりに、できている
「開張足」になっていることが考えられます。
開張足とは、踏みつけ部という、5本の指の付け根を横断している部分のアーチ(横アーチ)がくずれ、横にべたっと広がっている状態の足をいいます。
以前はちょうどよかった靴が、幅がきつくなってしまったということはありませんか?
しかも、かかとの高いくつの場合は、前すべりをするようにもなります。
これが、開張足になり始めのサインで、そのままにしておくと、この場所にタコができるのです。
足の3本のアーチの中で、一番負荷がかかりやすいのが、横アーチです。
足の踏みつけ部ですし、歩き方も、影響をうけやすいです。
横アーチがなくなることで、横の強度が落ちます。足の指も踏ん張れず、使いづらくなります。そのため、足の前の部分に、過度の負担をかけ続けてしまうのです。開張足になる原因は、人により様々で、はっきりとはわかっていません。
合わない靴はもちろん、関節などの遺伝的な要素や、運動不足による筋肉の低下、体重増加、筋肉や靭帯の老化もあげられています。また長時間の立ち仕事などで、足への負担が大きい場合もあります。
開張足は、そのままにしておくと、親指が曲がってしまう外反母趾や、小指の変形の内反小趾など、痛みを伴う症状へと繋がっていきますので、早めに専門家による診断を受けることをおすすめします。
ケース2 小指のつけ根あたりに、できている
足の小指からかかとにかけての「外側縦アーチ」が、崩れている場合に、この部分にタコができやすいです。
歩くときに、足の外側に重心がかかってしまうと、このアーチは崩れやすいです。
歩くときに膝が外を向いているO脚やガニ股歩きの方、小指が内に曲がっていて、小指がうまく働かない内反小趾の人に多いです。歩く姿勢を見直し、改善する必要があります。
身体の重心が外側にかかることで、骨盤が後方にずれてしまうことがあります。骨盤のずれは、内臓にも影響を与えるので、胃腸の働きの低下で、便秘や下痢が起こりやすくなります。
ケース3 親指の内側の側面(指・つけ根)にできている
歩くときに、内側に重心がかかっている場合、上記の部分にできやすいです。
親指が内側に曲がっていて、着地時にかかとが内側に倒れやすい外反母趾の方に多いようです。外反母趾で親指がうまくつかえていないと、足腰の筋肉に余計な負担がかかります。
この状態が、長く続いてしまうと、将来的に、慢性腰痛やぎっくり腰になる可能性があるので注意しましょう。外反母趾の可能性がある場合は、専門家による診断と治療が必要です。
ケース4 かかとの側面にできている場合
かかとの外側に重心がかかっています。
この場合、脚の内側の筋肉を上手に使えていないことを意味します。
この脚の内側の筋肉を、内転筋といいます。内転筋は、脚を閉じる力で、骨盤の安定や、股関節の安定と深く関わっています。
この筋肉が弱ってしまうと、膀胱を支える、骨盤の下の筋肉も弱まり、尿漏れの原因になりかねません。歩き方や、姿勢を改善する必要があります。また、かかと全体がひび割れて、丸く皮膚がむける場合は、「かくれ水虫」の場合がありますので、皮膚科での診察が必要です。
タコの予防
足のあった靴をはく
・つま先に1.5㎝程度、余裕がある ・横幅は、履いたときに足回りがぴったりとしていてフィット感がある ・幅が大きい靴は、中敷きをひく、靴ひもをしっかり結ぶ ・縦が大きい場合は、つま先やかかとに詰め物をする
「かかと」と「足の甲」が、しっかりと安定していることが、大切です。
底の薄いものはさけて、つま先より、かかとが1~2cm高さがあるものがよいです。
仕事でヒールが必要ならば、3~5㎝までの安定性のあるものにします。
歩き方や、歩く姿勢の見直し
靴底の減り方で、歩きグセ、重心の位置がわかります。
片方だけすごく減っているならば、腰の部分の骨や、骨盤などに歪みがでている場合があります。以前に、ぎっくり腰を経験や、出産を経験している方などは、歪みがでやすいですので、この機会にぜひ、専門のところで、身体のゆがみのチェックをされることをおすすめします。いまは、痛みがなくても、そのままにしておくのはよくありません。
正しい歩き方の大きなポイントは、重心の移動が正しくできているかどうかになります。つまり、着地時にかかとにかかった重心を、小指のつけ根→親指のつけ根→親指へと、足の指で地面をつかむように、ゆっくりと移動させます。
また、猫背になっていないか、腕を身体と平行に振れているかなども、チェックポイントとしてあります。長年にわたって悪いくせがついている方は、急に治すのはなかなか難しいので、ゆっくり、専門家に指導してもらってください。
適度で適切な運動で、足裏や脚の筋肉をつける
足裏にもたくさんの筋肉があり、それらは、脚につながっています。
弱い筋肉があると、その筋肉をかばうように、他の筋肉が無理をしますから、いろいろな病気やけがのもとになります。筋肉を、バランスよく鍛えることが大切です。
足のケア
過度な運動、長時間の立ち仕事をした日は、足の温浴やマッサージなど、筋肉の緊張をほぐすようにします。また、足を清潔に保つことも大事です。
かかとの厚く固くなった皮膚は、そのままにしておくと、どんどん固くなりひどくなりますから、市販薬を利用したり、専用のやすりで削ることも、必要です。
しかし、かかとには皮脂腺がありませんから、やりすぎはダメです。ひどくても週に一度、ゴシゴシやるのではなく、一方向に削ります。削ったら、保湿を忘れずにしておきましょう。
(※糖尿病の持病がある方は、自己判断でケアすることはしないでください。
合併症の神経障害を起こしていることもありますので、皮膚科を受診してください。)
おわりに
足のタコは、見た目がよくないだけでなく、足裏からの異常のサインだということが、お分かりいただけましたか?
タコは、削ったりする、一時的な対処だけでは、必ず再発してしまいます。
靴の見直しはもちろんのこと、足の構造の見直しがまず大事です。
タコが長年できている人は、ぜひ一度、専門家で診断してもらってください。
そして足の構造の問題は、根本的に歩く姿勢の問題でもあります。
長年のクセが原因の場合は、一時的に良くなっても、戻りやすいです。
やはり足の専門家による定期的なチェックやケアが、重要といえます。
愛YOUカイロプラクティック院は、
外反母趾など足部も得意としています。
ぜひ一度ご相談ください。